夜は深まるばかり




銀時は顔を少し傾けて軽く唇を押し当てた。
未だに慣れずにいる妙は、硬く唇を閉ざしたまま。一度離して、すぐまた口付ける。今度は強く押し付けて、唇全体を覆うように。頑なに閉ざした唇を、角度を変えながら少しずつ追い詰めていく。

「んん…」

声が漏れた僅かな隙間を銀時は見逃さなかった。
舌を差し入れ、逃げ回る妙を捉えて掻き回す。慣れない愛情表現を受け止めるのに必死な妙の表情を、薄っすら開けた視界に映した。絡めた舌をいたずらに吸ってはぴくりと瞼が震えた。気を良くして赤らんだ頬に手を添えて、更に口付けを深める。
いっそこのまま食べてしまえたら。




2014.05.16





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