薬用リップ
「唇荒れてますね」
白くて柔らかい妙の指先が、銀時の唇に触れる。かさついて、皮膚が荒れた唇を優しく撫でた。
「仕様がないですね、私の薬用リップ貸してあげます」
さっき彼女自身も塗っていた薬用リップを取り出し、渡してきた。
「あぁ」
差し出されたリップを、しかし銀時は白い腕を掴んで引き寄せる。
「こっちから貰う」
抗議の声を発する前に、艶めいて美味しそうな唇にかさついた唇を重ねた。舐めとるように角度を変えた銀時は満足したように、重ね合わせたまま口角を上げた。
2014.04.16
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