愛してみろよ



人斬りってェのはな、もう戻れやしねェんだよ。

男の背中がポツポツと語り出す。今しがた手当を終えて、部屋を出ようとした妙は立ちどまる。
手が震えた。
堪らずに妙の口が動く。

「…愛してみなさいよ」

男の肩が動く。

「過去がどうなんて知りません。
貴方は生きてる。

愛に罪はないわ」


―――離れて行かないで。





冷たく突き放すくせにその背中はひどく愛を叫ぶの。






2014.08.16





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