想いを込めて






 妙の指先が器用に模様を編み込んでいく。聞いた側から何編みか忘れてしまった。神楽ちゃんにです、と一月も先の話をして嬉しそうに笑んだ。
 俺のは?思わずそう口から滑り落ちそうになって慌てて噤む。銀さんのは今夜までお預けです。心を読んだ妙が一層深く笑んだ。あっそ、緩む口元は隠せなかった。





2016.11.06





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