※聖帝=豪炎寺





「しゅー、ご飯出来たよ」


ゆさゆさと体を揺すられてすっかり奥深くに潜っていた意識が少しずつ浮上する。士郎が俺を呼ぶ度に、士郎が俺を揺する度に、意識が少し体温の高い体と手を繋いで引き上げて貰える。それが幸せだと実感出来るのは目蓋を開けた時。朝起きて考える暇も無く目の前に好きな人が居ると表しようのないほど胸がいっぱいになるのだ。



「おはよう、修」
「あぁ、おはよう士郎」



先日話し合って決めた名前呼びが少し照れくさくて、ふわふわの髪の毛ごと引き寄せる。柔らかい感触と微かなリップ音の正体が照れ隠しだと言うことに気づかない士郎じゃないだろう。案の定こつんと合わせた額が揺れる。クスクスと笑う唇にこの野郎ともう1度仕掛けるが、残念ながら間に割り込んだ士郎の掌のせいで不発に終わった。



「早くしないと遅刻するよ。今日は朝から講義がある日でしょ?僕午前中はお休みだから、後でお弁当持っていくね?」



くすりと笑う本当に幸せそうな士郎につられて俺も笑った。暫くの間2人で笑い合って、本当に幸せで、でも俺はそれにどこか違和を感じてしまう。ふと、生理的な瞬きをする。すると開いた先にいた士郎はとても寂しそうな顔をしていた。
あぁ、空気が変わった。



変な士郎。かく言う俺もどこか久しぶりに笑ったようなぎこちなさを持っている。ずっとずっと笑う動作を忘れていたかのようだ。頬が久々の緩み具合に悲鳴を上げるのを感じる。



「士郎……?」



なぁ、吹雪。なんでだろう。おかしい気がする。幸せなのに、俺達は幸せなはずなのに!



困惑したまま、それでも流れる時間を見切った士郎はそのままの笑顔を無理矢理崩してくしゃりと笑った。冷たい手で俺の両頬を包んで、言い聞かせるようにちゅう、と額にキスをする。それからいつもの笑顔に戻って言うのだ。



「僕、あっちで待ってるね。」


士郎、お前誰だ?



「だから、…豪炎寺くん」」



お前の手はもっと暖かいのに、



「「早く、起きて」」







「起きて、豪炎寺くん。朝だよ。」
「………吹雪。」
「どうしたの?悪い夢でも見た?」
「………いや、なんでもない。」
「そう?それでも君今、すっごく変な顔してるよ?」
「寝起きだからだ、それから、」
「………ん?」
「俺のことは聖帝と呼べ。」
「………はい。聖帝さま。」



ああ、そのくしゃりと歪んだ、その顔、見覚えあるよ、士郎。




このすか、他人すか、の二択であってしいと
(そうであれば、3つ目を見つけられなかった俺達は、自分を責めなくてすむのだ。)





∴≒#*$∵


聖帝が豪炎寺であれ違うであれ吹雪には一緒に居てほしいって言う願望です。医大生豪炎寺と大学生(文学部ぐらい?)吹雪で同棲とか凄い理想ですよね!あれですかね、実は豪炎寺が聖帝で、でもそれは日本のサッカーを救うためのスパイだった!みたいなパターンは無しですかね?鬼道さんがバックに居て吹雪くんと豪炎寺くんがスパイ役としてセクスフィクターに紛れこんでるなう!とかなら全俺が禿げる