短篇 | ナノ

シャンクス


「ねぇ、何で突然夏祭りに行こうってなったの?」

「ん〜・・・理由はない」


近所の神社で夏祭りをやっているから行こう、そう云われたのは今朝の話


「○○○」

「ん?」

「・・・似合ってる」


シャンクスはこっちを見る事もなく、ポツリと呟く


「ふふ・・・ありがと」


照れくさそうに云った言葉が何だか可愛くて、自然と笑みが零れた


「シャンクスも似合ってるよ」

「ただの甚平だろ」

「ううん。何ていうか、無駄に色気がある

「無駄にって・・・」


シャンクスは苦笑いをする


「あ・・・」

「どうした?」


肩を並べていた筈の○○○の足が止まった


「リンゴ・・・あめ」

「食うか?」

「良いの!?」

「あぁ。どれが良い?」


屋台で小遣いが限られている子供のようで、買ってやると云われると目を輝かせていた


「あんず、リンゴ、パイン・・・迷う」

「おいおい、1つにしろよ?」

「うん。じゃあこの、リンゴあめの小、下さい」

「小で良いのか?」

「うん。大きくても食べ切れないだろうし」


祭りの雰囲気で買ってしまうが、飽きてしまって食べ切れないモノも中にはある


「シャンクス」

「ん?」

「買ってくれてありがと」

「・・・あぁ」


リンゴあめを持ち、嬉しそうに微笑みかける彼女を見てグッと来てしまった・・・


「お前、それ・・・反則だろ

「え?」


その後から、シャンクスが○○○を直視出来なかったのは云うまでもない


浴衣美人



― その後 ―


「・・・で?つい欲情したオッサンが、浴衣着せてやれなくて?アイツ呼んだってか?」

「ホント、反省してます・・・」

「ちったぁ考えて行動してくれよ、頭・・・アイツが居たから良かったものの、少し違えばアイツ実家に帰省してたぞ」

「あっぶねぇーッ!!」


END

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