短篇 | ナノ

マルコ


七夕の夜

あなただったら、何を願いますか?




「マルコ!」

「何だよい」

「短冊に願い事書いて?」

「・・・そんな暇ないよい」

「モビーのクルー皆が書いてるんだよ?」

「お前・・・全員に配ってんのか?」

「うん。何か問題ある?」


あるだろう

モビーのクルーが何人いると思っているんだ、コイツは・・・


「で?この紙切れに願い事書いてどーすんだよい?」

「あ、マルコにも説明しなきゃなんないんだもんなぁ・・・」


多分、○○○はクルー全員に同じ説明をしているのだろう

しかも、1人1人に


「分かったよい。夜までに書いとけば良いんだな?」

「そうだね」

「で、書いたらビスタに渡せば良いんだな?」

「うん」

「やっとくよい」

「じゃ、頼んだよ?私、今からイゾウの所に行ってくるから」

「あんま邪魔すんじゃねぇぞ?」

「ハーイ」


マルコの部屋を出て行った○○○の後ろ姿を見送ると、短冊を手に取りスラスラと文字を書き始めた


願い



「ビスタ、コレ頼んだよい」

「マルコも書いたのか?」

「あぁ。じゃなきゃ、○○○が煩いだろい?」

「じゃな」


“○○○にもう少し、女らしさってモンを装備せてくれ”


「マルコ、スマンがコレを見たら○○○は更に煩くなるのではないか?」

「・・・だろうな?」


“○○○がいつまでも、俺達の家族で居てくれますように”


短冊の後ろには、もう一つの願い事が書かれていた


END

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