短篇 | ナノ

サッチ


七夕の夜

あなただったら、何を願いますか?





「サッチ!」

「やぁ、○○○。どうしたんだ?」

「この短冊に願い事書いてよ」

「何だ?突然・・・」


先ほどエースにした七夕の説明を、サッチにもしてやる


「へぇ〜そっちの世界は便利だねぇ」

「便利って・・・まぁ、おまじないって云うか願掛けだよね」


確かに、叶うモノと叶わないモノがある

だが、それが問題ではない


「じゃ、書いたら甲板に短冊飾って来てね!」

「・・・・・・」

「サッチ?」

「・・・ない」

「へ?」


サッチが真顔で私を見つめる


1枚じゃ足りないよぉおおおッ!!

「アホかッ!!どんだけ願うつもりだよ!強欲なオッサンだな!!」

「俺は常にいろんな願い事が渦巻いてるんだよ!!」

「それを強欲って云うんだ、よく覚えとけ!!」


アラフォーのオッサンは少しくらい自重しろ


「1枚に俺の願い事、全部入るかなぁ・・・」

「・・・お前の願いなんて全部却下だろうな?」

「ちょっとぉおお!!何でそんな酷い事をサラリと云うんだい?」

「強欲なオッサン撲滅強化キャンペーン中だからだ、分かったか?」

「・・・グスン」


サッチはアレでもない、コレでもないと唸りながら願い事を吟味している


「書けたら、甲板に行ってね?私、マルコん所に行ってくるから」

「分かったー!!」


漸く願い事が決まり短冊に認め、甲板で待っているであろうビスタの元へ持って行く


願い



「ま、今更星に願わなくても、俺はいつも願ってるんだけどねぇ〜」

「お前ってヤツは・・・」


“家族が皆、いつも笑顔で幸せでありますように!

あと、綺麗なオネーチャンと幸せになりたい。

出来れば、○○○ちゃんみたいな子で!!”


「○○○が見たら、発狂して破いてしまうんじゃないか?」

「その時は、また書くよ。ってか、何度でも書いてやるさ」


サッチのその努力、凄いよね・・・


END


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