短篇 | ナノ

サッチまつり


「 今日は何の日でしょうか!! 」

「 知らん 」



今日もモビーは平和です・・・


「○○○ちゃん、今日が何の日か知らないの!?」

「知らないとさっきから云っているだろ?ってか、用もないのに救護室に入って来んな、フランスパン

「・・・冷たい」


モビーディック号唯一の女医 ○○○

男所帯の船で船医をしているだけあって、男勝りな性格だ


「で?今日、何があんだよ?」

「ん?」

「今日!」

「あぁ、今日って俺の誕生日なんだ♪」

「・・・聞いて損した」

「それ、酷くないですか?」


サッチの心は既にひび割れている


「で?アンタの誕生日なのは分かったが、それがどうした?」

「○○○ちゃんに誕生日、祝って貰いたいなぁ〜と思って♪」

死ね、フランスパン

「ちょっとぉおおおッ!!死ねとか酷いから!!」


サッチの心は複雑骨折だ


「何でアタシが?他のナースに云って貰えよ!」

「○○○ちゃんが良いんだって」

「アタシが?」

「うん」

「アンタに?」

「そう」

アラフォーのお前にか?

「・・・うん、そう」


サッチの心は土砂降りである


「泣くなよ、気持ち悪ぃ・・・」

「泣くよ!泣いてやる!!」

「ハイハイ・・・で?どう祝ってやれば良いんだ?」

「祝ってくれるの?」

ケーキはデコフランスパンで良いか?

「それ、ただのパンだから・・・デコってもパンだから・・・」

「祝いの証に、モビーの甲板から海にダイブしてやろうか?」

「どこの国の祝い方なの!?ってか、その祝い方、男前過ぎるからやめて!!」

「ワガママだな、お前・・・」


○○○は痺れを切らす


「じゃあ、俺と付き合ってよ

「・・・は?」

「だから、俺と付き合ってよ」

「誰が?」

「○○○ちゃんが」

「誰と?」

「俺と」

「何するの?」

「お付き合いするの♪」


満面の笑みで答えるサッチ


「・・・頭、大丈夫か?お前

「至って健康ですから!!」

「そうか・・・じゃあ、良いぞ?」

「・・・へ?」


サッチは自分の耳を疑った


「付き合っても良いぞ?」

「ホント!?」

「嘘云ってどうすんだよ?」

「・・・ヤッターッ!!」


喜びのあまり、サッチは甲板から海にダイブしてしまった


サッチまつ



「で?何処に付き合えば良いんだ?」

「・・・え?」


甲板から海を覗く○○○


「次に寄る夏島の何処に行きたいんだ?付き合うにも限度があるぞ?」

「・・・えぇええええ!?」


その付き合うじゃないんですが・・・?

サッチはそのまま、海に沈んでしまったそうだ


「おーい、サッチー?誕生日プレゼント、夏島で買ってやるから何が欲しいか考えとけよ?あ、あと水遊びも大概にしろよ?お前だってもう若くないんだからなー?」


○○○の声だけが虚しく甲板から聞こえていました


END


☆――――――――――☆
サッチ、誕生日おめでとう!
3日遅れですが、サッチ用おめでとう話です♪
他のキャラも出来たらやりたいですね(*^_^*)

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