マルコ
「ただいま〜」
「お帰り」
玄関の方から聞こえる声に返事をする
「あ、今日はマルコさんの方が早かったんですね?」
「そうみたいだねい」
「じゃ、今から晩ご飯作りますね?」
「頼んだよい」
ガサガサと買い物袋から、夕飯の材料を取り出し始める
「ん?・・・何だコレ・・・」
○○○がソファに置いた、仕事用のバッグ
その中から見えたのは、綺麗にラッピングされた箱が2つ見えた
「(コレは・・・プレゼント、だねぇ)」
しかも、女友達から貰ったという雰囲気ではない包み紙だ
「はい、出来ましたよー」
「どうも」
「あ、そうだ。マルコさん、コレ、要りませんか?」
「ん?」
○○○が先ほどのバッグから、ゴソゴソと何かを取り出す
「コレ、会社の方から戴いたんですが、どうやら間違えて男性ものを買ってしまったらしくて・・・」
そっと差し出したのは、有名ブランドの男性もののハンカチだった
「・・・
要らねぇ 」
「柄、気に入りませんでしたか?」
オロオロとハンカチと俺を何度も見比べる○○○
「気に入らないのは、柄じゃねぇ」
「まさか・・・」
いくら○○○でも、漸く気付いたか?
「
嫌いなブランドでしたか!? 」
「いや、それも違うよい・・・」
そっちに行ったか・・・
「俺が云ってるのは、そういう事じゃねぇってこと」
「・・・どういう事ですか?」
シュンとなり、首を傾げる○○○
「くれると云ったハンカチが他の男から貰った物って事と、自分の女が他の男からプレゼントされたって事が気に要らねぇって話だよい」
「ゴメンなさい。ちゃんと説明してなかったですね・・・」
慌てて、貰いものについての説明を始める
「・・・で?要は、コレはホワイトデーのお返しだった、と?」
「はい」
「・・・・・・」
「マルコさん?」
「・・・・・・」
「もしかして、マルコさん」
「な、何だよい」
「
ヤキモチですか? 」
「ち、違うよい」
本当は、ヤキモチだった
「フフフ・・・ハイハイ」
「何だよ、そのハイハイって」
「何でも〜?」
「おい」
さ、ご飯にしましょ?とキッチンに戻ろうとする○○○を呼び止める
「ん?どうしました?」
「コレ、やる」
「何ですか?」
「見てみろよい」
○○○に綺麗にラッピングされた、小さな箱を渡す
「・・・・・・ッ!!」
「
それ、貰ってくれるかい? 」
「・・・はい」
綺麗で小さな箱には、真っ赤なリボンが結われた鍵が入っていた
合い鍵をあなたに
「ところで、この鍵はどこの鍵ですか?私、マルコさん家の鍵、貰ってますよ?」
「それかい?それは、俺達の新しい部屋の鍵だよい」
「そうですか・・・・・・って、えぇえええッ!?」
「反応遅いねぇ。あ、因みに入居日は4/1だよい」
「あと、半月しかないじゃないですか!?ってか、いろいろと手続きしなきゃ・・・」
「あ、それは安心しろよい。やっといたよい」
準備万端なマルコさんでした
END
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