短篇 | ナノ

クザン


「寒いですね・・・」

「・・・それ、俺のせいって目だよね?」

「あ、バレました?」


よりにもよって、冬島に来ている


「酷いじゃない、俺、能力使ってないよ?」

「使ってるようなモンじゃないですか」

「○○○ちゃん、酷いよ?」


大将が出張る程の事件ではなかったが、何故か大将・青雉まで付いて来た


「何で今日は、ココまで来たんですか?」

「えっと・・・あ〜・・・あれだ、ほら、暇潰し

「暇潰しって・・・本部で仕事して下さいよ。書類、結構溜まってるんですよ?」

「だって、○○○ちゃん、俺の直属の部下じゃない?スモーカーは新世界に行きたいとか云い出すしさ・・・つまんないじゃん」

「スモーカーさん、まだ居るじゃないですか」

「野郎と一緒に冬島来たってつまんないじゃん」

「確かに・・・」


だからって、私と来てもどうかと思いますが・・・?


「さっさと戻りましょう?大体把握出来ましたし、ココの駐屯所に関しての報告書は私が作成しますから」

「何も○○○ちゃんがする事ないじゃない?部下にやらせたら?」

「いえ、コレは私に来た任務ですから」

「真面目だねぇ・・・でも、そこがまた良いんだよ」

「・・・?」


○○○は首を傾げつつも、軍艦に戻るべく足を進める


ズルッ!!


「うわッ!?」

「おっと!?」


雪で足元が滑りやすくなり、○○○は後ろのクザンに寄り掛かるように倒れてしまった


「す、すみません!!」

「良いよ?別に」

「でも・・・」

「いや、コレは嬉しいハプニングだね」

「?」


そのまま尻もちをついた形の2人は、固まっている


「あの・・・?」

「ん?」

「離して頂けませんか?」

「ん〜・・・困ったねぇ」

「もう、手足や顔の感覚もない位に寒いんです・・・早く、船に戻りたいです」

「・・・そうなの?」


寒さのせいで、少しだけ涙目になっている○○○


「ハイ」

「そっか・・・」


後ろから抱き締める形のクザンは、嬉しそうに力を込める


「いや、あの?離して下さい」

「まぁまぁ、すぐ終わるから」

「え?・・・すぐ、終わる・・・?」


ペロッ!!


「うひゃあああああ!?」

「ハハッ、可愛いねぇ・・・」

「な、何するんですか!?」


どさくさに紛れて、目の前の○○○の首筋を舐めた


「だってさ、目の前にあったら舐めたくなるじゃないの?」

「なりません!!ってか、ならないで下さい!!」

「良いじゃない、減るもんじゃないんだし」


全く悪気はないようだ


舐め



「だから、いい加減、俺のモンになっちゃいなよ?」

「遠慮します」

「これ以上の事、しちゃうよ?」

「ガープさんとセンゴクさんに云いつけますよ?」


ニッコリと満面の笑みで振り返る○○○


「・・・それは勘弁だね」

「なら、手を離して下さいね?」


クザンの手が離されると、そそくさと軍艦に戻る○○○


「オトすのは、難しいねぇ・・・」


海軍本部に戻ると、ガープの爺さんが待っていた


「くぉらあ!!まぁた、わしの可愛い部下にちょっかい出しおって!!」

「ちょっ、タンマ!」

「問答無用ッ!!」


END

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