短篇 | ナノ

サンジ


ピロピロリ〜ン♪


「ん?・・・○○○ちゃん?」


携帯を開く


――――――――――
NAME:○○○ちゃん
――――――――――
サンジ君、助けて…
動けません(T□T)

――――――――――


「助け・・・えぇ!?」


急いで番号を探し出し、電話を架ける


「も、もしもし!?」

『ざんじぐん・・・』

「うわ!?どうしたの、声!」

『だずげで・・・』

「か、風邪か?風邪なのか!?分かった、今から行くから!家に居るんだよな!?」

『うぢにいるよぉ』

「分かった!すぐ近くだから!!」


電話を切ると、色々と寄りながらなるべく早く家に向かった


ピンポーン♪


「○○○ちゃん?」


インターホンを鳴らすも返答はなく、ドアノブに手を掛けるとドアが開いた


「おじゃましま・・・す!?○○○ちゃん!何やってんだ!?」

「あぁ、ざんじぐん・・・床がね、づめだぐで、ぎもぢいいんだぁ・・・」


フローリングに倒れ込んでいる○○○を発見した


「そんなんじゃ、治るモンも治らねぇって。ほら・・・」

「ぅう・・・」


○○○を寝室に運び、寝かせる


「薬、買ってきたから用意してくる」


部屋を出ようとすると、スーツの裾が引っ張られた

「うわ!?」

「いがないで・・・」

「大丈夫。薬持ってくるだけだから」

「ぅ・・・はぁ、はぁ・・・」


熱にうなされているのだろう

朦朧としている○○○を見遣ると、部屋を出る





*****


「よし、コレで良いかな」


コトコトと鍋を揺らすのは、卵入りのおじやだ


「そろそろタオル換えてやるか・・・」


部屋に行くと、薬が効いたのかスヤスヤと寝ている○○○


「熱、引いたか・・・な?」


首に手を当てると、体熱感は引いてきていた


「ざんじぐん?」

「ぁ、悪い・・・起こしちまったか?」

「ううん」

「具合どう?声はまだ掠れてるけど・・・」

「あだま、いだぐないよ」

「そっか。あ、おじやあるけど食べる?」

「・・・だべる」

「じゃ、今持ってくるから」



頭痛も引いたようで、少し元気になったようだ


かぜっ



「フーフー・・・はい、アーン」

「・・・」

「○○○ちゃん?」

やるどおもっだ・・・

「だって、1回やってみたかったんだモン!」

「・・・フフ」

「な、何?」

「アーン」


口を開けて、おじやが来るのを待つ○○○


「ハイ、アーン♪」


サンジの夢が叶ったようです


「おいじいね」

「どういたしまして。もう、床で寝てたらダメだよ?」

「あい・・・」

「あと!」

「?」

「もう・・・こんなのゴメンだ」


困ったように笑うサンジ


「ざんじぐん・・・」

「心臓に悪いぜ、全く」

「ごべんね?ありがど」

「あぁ、どういたしまして」


END

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