短篇 | ナノ

夫婦パロ【スモーカー】


「あのぉ…」

「何だ?」

「仕事中に申し訳ないんだけど、ちょっと良いかな?」

「構わねぇが、仕事しながらじゃダメか?」

「出来れば、中断して欲しいかも」


強面の旦那に恐る恐る話し掛ける妻・○○○


「分かった。あと5分待て。そしたら終わるからよ?」

「うん」


リビングでPCを開き仕事をしている旦那


「ったく、何でこんな書類作んねぇとなんねんだよ…」


ブツブツ云いながら、仕事の書類を作っているらしい


「……たしぎか?今、メールで送った。確認しろ。あぁそうだ……知るか


部下のたしぎちゃんに電話を架けて、本日の仕事は終了……いや、強制終了させたらしい


「待たせたな?」

「たしぎちゃん、良いの?」

「アイツもバカじゃねぇから分かるだろ。で?話って何だよ」

「あ、あの…ね?」


リビングのローテーブルで仕事をしていたスモーカーの隣に、ちょこんと座る○○○


「どうした?」

「驚かないでね?」

「別に、今更お前に驚く事なんてあるかよ?」

「いや、絶対、絶ぇええええええッ対に驚きそうなんだけど…」

「良いから、云えよ」


○○○はスモーカーの方へ向き直り、正座をする


「どうした?……まさか、離婚してぇとかか?」

「何でッ!?」

「いや、妙に畏まってるし、驚くなって云うからよ?」

「アナタの驚く基準が分からないよ…」

「そうか?」


フッと鼻で笑うと、傍にあったタバコに手を伸ばす


「ストップッ!!」

「!?」


「ちょっと待って、スモーカーさん」

「何だよ?」

「吸わないで聞いて?」

「何でダメなんだよ?」


○○○の静止も聞き入れようとせず、タバコを咥え、ライターに火を灯す


「赤ちゃん出来たから、吸っちゃダメぇええッ!!」


スモーカーの耳元で、大声で宣言する○○○


「………は?」


ポロリとタバコが口元から落ちる


「だから!赤ちゃんが出来たんです」

「………お前が?」

「他に誰が居るんです?」

「…俺のガキって事だよな?」

「他に誰が居るんです?」

「俺とお前のガキって事だよな?」

「それ以外あるんですか?」


状況が呑み込めず、スモーカーさんがフリーズしました


家族が増えました



「なので、今日からスモーカーさんはベランダでタバコ吸って下さい♪」

「……あ、あぁ」

「宜しくお願いします。お父さん?

「…あ、ハイ。分かりました。お母さん……」

「フフフ……何で敬語なの?」

「………ありがとな?」

「ハイハイ」


END

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