シャンクス
それは草木も眠る真夜中の出来事だった
「う・・・ん・・・」
身体にズシリと重みを感じた
思うように動かす事も出来ず、漸く開ける事が出来た目線の先には黒い影
「シャ・・・クス?」
多分、シャンクスであろう影は何の返答もない
しかし、覆い被さり手足の自由を奪われている
「どうしたの?シャン・・・ッ!」
突然の事に、寝ぼけていた頭も一気に現実に引き戻された
「酒くさ・・・ちょ、シャンクス!?」
「黙ってろ」
「ッ!」
普段からは想像もつかない程の冷徹な視線と言葉に、何も返せなかった
「私、ヤダから!お酒の勢いとか、ヤダってば!」
抵抗も虚しく、ほぼ酒の勢いで思考回路がおかしくなっていたシャンクスに滅茶苦茶な抱かれ方をしてしまった
- 翌日 -
「・・・」
「・・・」
起き上がるのもやっとな身体を引きずりながら、朝食の準備をする
シャンクスは、昨夜の出来事がすっかり抜け落ちている様子
「なぁ、悪かったって云ってるだろ?」
「・・・」
「いや、マジで悪かった」
「私、酒の勢いってのが一番嫌なの知ってたでしょ?」
「・・・反省してます」
珍しい、というか付き合っていた頃から思い出しても今回のような事は初めてだった
「何かあったの?」
「・・・昨日は、漸く漕ぎ着けた大きな取引を他に持ってかれてな・・・お前に当たってしまった。悪かった」
「そう」
「・・・今日は早く帰るから」
「わかった。行ってらっしゃい」
鞄を持ち立ち上がったシャンクスが、○○○の手を掴む
「○○○」
「ん?」
「ホント、ゴメン」
「ワケが分かったから、今回は許す」
「ありがと。行ってくる」
叱られた犬のように落ち込んでいた顔も、すっかり明るさを取り戻したようで元気に出社していった
強引なキス
- 数ヶ月後 -
「ホント、ゴメンなさい!!」
「・・・・・・」
「だってさ、デキちまうなんて、えぇ!?」
「いや、確実にあの日ですから。それ以外、ちゃんと避妊してたでしょ?どうすんの?」
「産んでよ!ってか、産まないの!?」
「産むわよ。シャンクスが反対しようが産むつもりよ」
「ホントか!?・・・良かった」
この人が父親で、本当に大丈夫かな?と心配になる○○○だった
END
<< >>