短篇 | ナノ

C


「キャプテン、○○○、来ないね?」

「もうすぐ来るだろ、黙って掃除しろ」

「ハーイ」


いつもなら、この時間には船に到着している

だが、今日に限って○○○は船に来なかった


「おい、ちょっと出てくる

「キャプテン、どこ行くの?」

「ちょっとそこまでだ」

「ふーん。いってらっしゃい」


ベポに見送られ、町へ出る


「おい、○○○という女を探している」


分かっているのは○○○と、顔だけ


「あぁ・・・○○○か」


1人の老人が渋い顔で呟いた


「知っているのか?」

「・・・お前、○○○に何の用だ?」

「○○○はおれの患者だ。だが、今日の診察にまだ来ていない」

「・・・だろうな」

「何故だ?」

「アイツが、○○○の母親が帰って来てるんだ」

「母親?」


老人は苦虫を噛み潰したような顔をしている


「○○○の右目、あれは母親がやったものだ」

「・・・そうか」


タンスにぶつけたと云っていたが、やはり嘘だったか


「○○○の家を教えろ」

「行ってどうする」

「さぁな」

「・・・ここから、東の外れにある家だ」


老人が指差す方へ足を進めた

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