短篇 | ナノ

クザン


「またなの?」

「あぁ、まただ」

「いい加減にしてよ」


○○○は少し不機嫌だ

ま、原因はおれなんだが


「いい加減、女遊びやめないと、いつか刺されるよ?」

「分かっては居るんだけどさ?ほら、世の中、素敵でボインな女が多いからさ!」

「アホだろ、アンタ」

「そうだな?ってか、○○○ちゃんがおれの彼女になってくれたら、全然女遊びやめられるんだけど?」

「誰がアンタみたいな節操なしの彼女になるかッ!!」

「あらら、随分な云い方じゃない」


素敵な女は5万と居る

だが、振り向いて欲しい女は世の中に1人しか居ない


「おれ、かなり本気なんだぜ?」

「ハイハイ。そういうセリフは呑み屋のお姉さんにでも云ってなさいな」

「いや、マジなんだって!」

「そうですか」


愛の告白も、今や日常会話の一部と化しているからか真実味を帯びてくれない


「でもさ、○○○ちゃんは何だかんだでおれのこと相手してくれるよね?」

「じゃなきゃ、誰も相手してくれないから、誰彼構わず絡んで行って面倒なオッサンになるからでしょ」

「そうかもね。でもさ、もしかして○○○ちゃん、おれのこと好きなんじゃないのぉ?」


冗談っぽく云ってみたが、○○○が反論することは無かった


「え、もしかして当たり?・・・マジ?」

「・・・・・・ッ」

「え、ホントなの?」

「わ、悪いかッ!?アンタが好きで悪いか!?」

「いや、全然。寧ろ、嬉し過ぎてビックリしてる」

「そうやって人をいつもバカにして!」


赤面しながら悪態をつく○○○

その姿が可愛いと思ったおれは、かなりの重症だと思う


やっぱお前だわ。おれのかみさん


テーブルに頬杖をつき、ジーッと○○○を見つめながら呟いていた


ロポーズ作戦


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