短篇 | ナノ

シャンクス


「緑茶で良かったか?」

「あ、うん。ありがと」


いつものように食事を済ませ、同じソファで借りて来たDVDを観る

当たり前のようで、なかなか出来ない2人だけの時間


「最近、忙しかったからな」

「そう、だね?」

「○○○は昇進、おれは起業・・・休む暇なんてなかったからな」

「うん」


今年度に入り、急な人事で私は不覚にも昇進してしまった

ありがたい事だが、昇進すると云う事は部下を持つという事であり、多忙となるワケだ

そして、シャンクスは自身の会社を起こすのに多忙を極めていた


「おれら、忙しくなる一方だよな?多分・・・」

「そうかもね」


お互いを観る事はなく、テレビを観ながら会話を進める


「だからさ、○○○」

「ん?」

おれさ、結婚することに決めたんだ。お前と

「・・・うん。良いよ」


それでも尚、テレビ画面から目線が変わらない2人


「良いのか?結婚だぞ?結婚」

「うん。分かってる。結婚でしょ?それって、今とあんまり変わんないじゃない?」

「・・・だぁっはっはっはっ!それもそうだな!!」


シャンクスは膝を叩き大笑いする


「・・・出来るだけ、晩ご飯は作るようにする」

「楽しみだな」

「出来るだけ家事、頑張るから」

「おれだって手伝うぞ?」

「だから・・・」

「○○○?」

幸せにしてね?

「おぅッ!!任せとけ!」


漸く、テレビ画面から視線が移り、お互いを見つめ合い、笑みが零れた


ロポーズ作戦


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