短篇 | ナノ

サッチで遊ぼう!


「○○○、何してんの?」

「ネット」

「・・・冷たいね?」

「そう?」


彼女は今、PCに向かっています

何を調べているのか、真剣に画面を見つめています


「俺、今ならその画面と入れ替わっても良いって思ってる」

「・・・・・・」

「ムシ、ですか?」

「いや、引いてんの」

「引かないでよ!!」


そんなこと云うなんて、俺、泣いちゃうよ!?


「ねぇ」

「ハイ?」

「・・・サッチってさ」

「うん?」


画面から目を離さず、淡々と声を出す○○○


サッチって何?

いや、俺は人間ですよ!?他に何だと思ってらっしゃるの!?


何を云い出すの、この子ったら!!


「今さ・・・」

「うん」

「サッチを検索してみたの」

「ぉ、俺を!?何で!?」

「悪い噂とか流れてないかな?って」

「いやいやいや!世界規模で載れるほど大物じゃないから、俺!!

「知ってる」


知ってるんかいッ!!

そこは、“サッチは世界的にも有名人だよ?”とかお世辞でも云っておくれよ!!


「嘘」

「ウソかい!!」

「でもね、サッチについて分かった事があるよ」

「・・・何?」


もしかして、悪い噂ですか!?


芝生の刈り草や冬枯れした葉などが地面に堆積して層を成したものをサッチって云うんだって

芝生!?

「サッチは・・・通気性と水はけを悪化させ、地表に光があたらなくなることで、芝生の成長も邪魔します

「俺、邪魔者なんだね・・・!?」

できれば梅雨に入る前にサッチ取りを済ませておきたいものです

「うん。俺、よく生き延びた!梅雨を乗り越えたよ!!」


淡々と画面を見て云う○○○

俺、もう涙で前が見えないよ?


ッチ遊ぼ



サッチ分解剤でサッチを分解して土に戻す方法・・・

「怖いから、もうやめて・・・何か、俺が悪かった!ゴメンなさい!!」

「・・・何で謝ってんの?」

「だって、○○○が怖いこと云うから・・・」

「検索したら、一番最初に出てくるのがコレだから」

「俺、何でサッチって名前なんだろ・・・?」


END


*****
コレ、事実です(笑)

見つけた瞬間にニヤニヤしました。

PCをお持ちの方、迷わずに“サッチ”とだけ入力してみて下さい。

“芝生のサッチについて”というページが出てきますから(笑)

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