B
「海軍が敗れた場合は世界の終り・・・か」
「え?」
「お前、やっぱり海軍側の頭だな?」
「どういう・・・?」
ベンが煙草の火を消し、紫煙を吐き出す
「白ひげが負けた方が世界の終りだと考えた方が良い」
「え?」
「白ひげは、頭よりも遥か昔から海賊だ。しかも、四皇の座は何十年と変わらずにだ。傘下の海賊も多く、相当な手練ればかりだ。だが、この戦争で白ひげが敗北する・・・これがどういう意味か分かるか?」
「・・・白ひげ、傘下、四皇、戦争で敗北・・・まさか!?」
「そのまさかだ。仮に白ひげが死んでみろ、世界はどうなる?」
「考えたくないけど・・・海軍が滅ぶより最悪なのは分かったわ」
■■■は船が進む先を見つめながら、早くカイドウの元へ着かないかと焦っていた
自分が焦ってもどうこう出来る事態でない事は分かっている
だが、ベンと話した世界の終りだけは避けたいという気持ちが強く
気持ちだけが焦る
「副船長?」
「なんだ?」
「今、私は海賊でも海軍でもないわ・・・」
「あぁ」
「でも、今弾きだされた最悪の結果だけは避けたいの」
「・・・どうする?」
「四皇 カイドウとの決着がついたら急いで海軍本部へ向かいましょう?そして、どうなるのかは分からない・・・でも、私は行かなきゃいけないと思ってる」
海軍時代、色々な戦線に出ていた
だが、海賊と海軍の戦争なんて初めてだ
自分に何が出来るのかなんて分からない
漠然とした不安、焦燥感に襲われる
「ベン、お前はどう思う?」
「頭・・・」
「赤髪!」
甲板に居たはずのシャンクスが、ベンと■■■の元へ戻ってくる
「頭が行けというなら行こう。多分、大将との戦闘は避けられないがな?」
「青雉、赤犬、黄猿・・・全員自然系だったか」
「赤髪!戦争に加勢するの!?」
「いや、まだわからねぇさ。実際、行ってみないと戦況が分からねぇだろからな・・・何とか穏便に済めば良いがな」
「とりあえず、カイドウの所にはもうすぐ着く筈だ。アイツらに声を掛けてくる。■■■、お前も準備しておけ」
「・・・分かったわ」
それぞれが不安と焦燥感を胸に、レッドフォース号はカイドウの縄張りへ入って行った
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