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「■■■、何を隠している?」
疚しい気持ちがそうさせたのか、歯切れの悪い返答の■■■をベンが見逃さなかった
「いや、別に・・・何も」
苦笑いしか出ない■■■
「別の世界から来たお前が海軍に所属するのは容易ではない。ましてや、海軍中将・つるの部下で少尉の位まで上り詰めたんだ、簡単ではないぞ?」
「・・・」
ベンが云う事は合っている
養父・クザンの手が無ければ、今頃は野垂れ死んでいただろう
「何を聞いても、驚かないで下さい」
「だから、大丈夫だって云っただろ?」
「別世界から来た、以外に驚く事があるのか?」
シャンクスもベンも、今以上のサプライズは無いだろうと高を括っている
「私の養父は・・・
海軍本部 大将・青雉なんですッ!! 」
「「
ッ!? 」」
コレ以上のサプライズは、最早ないだろう
「船長に拾われた時の凍傷、あれは父から受けたものです。海軍を辞めるという事で無理やり家を出たので、半ば強引に喧嘩して飛び出したんです」
「・・・青雉かよ」
「って事は、ココにお前が居るって分かったら海軍の最高戦力が出てくるんだな?」
「父一人では乗り込んで来る事は無いと思うけど・・・もし、私が海軍をちゃんと辞める事が出来ていなかったら、多分、お尋ね者ですね」
■■■の眉が八の字に下がる
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
部屋に暫し沈黙が流れる
「厄介な話なんです。もう、置けないって分かったと思います。次に寄る港で降ろして下さい」
そして、この話は2人の胸にしまっておいて下さい
そういうと、頭を下げた
「分かった」
「え?」
「
海軍本部が何だってんだ。こっちの邪魔すんなら、おれらも黙っちゃいねぇさ 」
「・・・何、云ってるの?」
「行くぞ、ベン」
「・・・行くのか?」
「あぁ。今、使いに出してるロックスターの連絡が来たら、奴に会いに行くぞ」
シャンクスが立ち上がる
「奴って・・・?」
■■■がシャンクスを見上げる
「■■■、海軍本部の少尉だったお前が知らない筈はない。白ひげ海賊団二番隊隊長 火拳のエース」
「ポートガス・・・D・エース・・・」
手配書でしか見た事がない顔だが、その名の大きさは私でも知っていた
「白ひげの所へ行く」
シャンクスが告げる
「白ひげの・・・待ってッ!四皇の2人が接触するって、どういう意味か分かってるの!?政府が黙ってないわ、艦隊が何隻も襲撃に来るわよッ!!」
元海軍だけあり、四皇同士が接触する事の重大さが分かっているようだ
「バスタコール級の砲撃があるかも知れない・・・」
「だろうな」
「だろうなって!」
世界政府が恐れている事をやろうとしているシャンクスを止めようと試みるが、呆気なく却下される
「エースを止めないといけないんだ」
「え?」
「だが、エースの所在は分からねぇ。だから、白ひげんトコに行くんだよ」
「だからって無茶よ!足止めされて終わるわ!」
ドン―――ッ!!「・・・ぅ、あ」
「頭、やり過ぎだ」
「悪ぃ」
「■■■は■■■で心配してんだろう。確かに、危険な橋渡るんだ」
「世界政府や海軍が怖くて海賊稼業が出来るかよ」
「・・・だな」
「ベン、彼女を頼む」
「丸投げか?」
覇気を当てられ意識が飛んだ■■■をベンに任せ、シャンクスは冬島に降る雪を見つめていた
「例え戦争になろうとも、行かなきゃなんねぇんだ・・・」
一時の平穏を惜しむかのように、宴をしている仲間の元へ歩いて行く
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