第6話
ベッドに寝ている誰か
木々のトンネルを一緒に歩く誰か
アンタは、おれの何なんだい?
「なぁ」
「ん?」
「何度も聞いて悪いんだが・・・」
「良いよ?どうしたの?」
「アンタは・・・本当に、誰なんだい?」
この言葉は、アンタを傷付けてやしないだろうか?
「本当に、分からないの?」
笑顔とも、泣き顔とも取れる表情でおれを見つめる彼女
「マルコさんが、ゆっくり思い出せるまで、あんまり考えない方が良いよ?」
そう云って微笑む彼女
「また変なの作ってる」
「変なのって・・・城だよい」
「えぇ!?ただの砂山ですけど!?」
「今から仕上げるんだよい」
「じゃあ、今はただの砂山じゃん」
「うるさいよい。今から立派な城、作ってやるよい。・・・あ、崩れた」
「マルコって、意外と不器用だよね?」どこか、知っているような知らないような浜辺・・・
目の前の彼女の微笑みが、夢のようでどこか懐かしい感じ
靄の中でおれに微笑み掛ける誰かと重なる
あと少し
あと少しで何かが分かる気がするんだ・・・
傷と痛み
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