砂時計【マルコ】 | ナノ

第3話


昨日、病室を出て行き水を替えた花瓶を置くとすぐに彼女は帰って行ってしまった

そして、彼女は今日、1日1度も顔を出さなかった

おれの名前を辛そうに呼ぶアンタは、おれの何を知っているんだ・・・?


「・・・痛ぇ・・・ッ」


彼女が病室を出てから、激しい頭痛に襲われた


「クソ・・・!」


おれは、あの泣き顔を知っている

でも、どこで見たのか覚えていない


「・・・・・・ぁ」


痛みの中で、薄らをハッキリしない感じで何かが過った気がした





「     ッ!!」

『お静かに』

「先生、     は、大丈夫なのかよい!?」

『大丈夫です。今は休まれています』

「良かったよい・・・急に倒れたから、死んじまうのかと思ったよい」

『ご安心を。命に別状はありませんので』

「ありがとうございます」

『しかし、もう一つお話が・・・』



何だろう?

この先を、思い出せない


「何だ・・・今の・・・?」


ベッドに寝ている誰か

顔も名前もハッキリしない誰か

でも、その場におれは確かに居た

誰が倒れて、何がどうなってしまったんだ?

誰か、教えてくれよい・・・





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