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「ど、どういう事ですか!?」
「だから、田舎に帰るのをやめて指導官をやれと云っているんだ」
「な、何で大佐にそこまで云われなきゃなんないんですか!?」
あまりに理不尽だ
いくら上司命令でも、横暴すぎる
「
泣くくらいなら、辞めんじゃねぇよ 」
スモーカーに云われ、初めて自分が泣いていると気付いた
「辞めたく・・・ありません。悔しいです。もっと・・・続けたかった」
「・・・続けろ。指導官になって、強い部下を育てろ」
「出来るかな・・・」
「少佐だろ?」
「でも・・・腕が云うこと利かないんです」
「お前の指導力はよく知っている。今まで通りやれば良い」
「・・・ッ・・・」
面と向かってスモーカーから、こんなにも評価を受けた事はなかった
「お前が相棒じゃなくなるのは痛手だが、お前がアイツを育てろ」
「アイツ・・・?」
「たしぎだ。伸びるんだろ、アイツ」
「・・・ハイ」
「お前が・・・お前が困ったら」
突然目の前が暗くなった
「
おれがお前の腕になってやる 」
「スモーカー・・・大佐?」
抱き締められていると気付くのに数秒要した
「
だから、おれの傍に居ろ 」
不必要に大声で云うスモーカーは、そのまま力強く抱きしめる
「痛い・・・痛いです、大佐・・・」
「・・・あ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
何とも云えない空気が流れる
「で、お前はどうする?」
「どうするって・・・あの、コレって
プロポーズって事で良いんですか?」
「バカかお前ッ!」
「だって、そうじゃないですか!“おれがお前の腕になる”とか“おれの傍に居ろ”って・・・もう、プロポーズじゃないですか!!」
「・・・テメェ、頭の検査して貰えッ!!」
「酷いッ!脳波は異常なかったんですよ!?」
「じゃあ、脳の中が異常なんだよ!」
シリアスな場面も長続きしない2人
スモーカーの憂鬱
「何ですか、それ!」
「全身検査して貰え、めでてぇ中身しやがって!」
「して貰いますよ!そうですか、そうですか」
「いっそ、中身取り替えて貰え」
「白猟のスモーカーは、実は
薄情なスモーカーだったんですね?肩書き、直さなきゃいけませんね!?」
「テメェ・・・退院したら覚えてやがれよ!?」
「大佐なんて知りませんッ!」
END
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