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『・・・悪い、●●●。やっぱ、元カノが忘れらんねぇんだわ』
ガバッ!!「・・・・・・何っつー夢だよ」
1年で1、2回みる昔の夢
甘い夢ではなく、とっても苦くて辛い夢
恋に臆病になってませんか?
「おはよーございます」
会社に着くと誰も居ないオフィスの窓を開け、空気の入れ替えをする
そして、ホワイトボードの日付を直し、観葉植物に水をやる
「・・・おはよ」
「あ、マルコさん・・・おはようございます」
「毎日毎日、早起きだねぇ」
「い、いえ・・・別に」
マルコさんは、毎日私の次に出社してくる先輩だ
「相変わらずツレないねぇ〜・・・」
「・・・・・・」
別に嫌いなワケじゃない
ただ、苦手なのだ
マルコさんに限らず、男性というものが苦手だ
「・・・え・・・合コン?」
「はい!●●●先輩にも来て欲しいんです!」
「いや、私、ちょっとそういうのは・・・」
「えぇ〜?だって、先輩、彼氏居ないじゃないですか〜!?」
「・・・居ない、けど」
「じゃあ、決まりです!人数合わせでも良いんです。お願いしますね!」
嵐のように伝えたい事だけを伝え去っていく後輩の背を見つめ、溜息が漏れる
貴重な昼休みをこの話で潰されてしまったと思うと悔しい
「・・・ハァ」
「相変わらず、押しに弱いな」
「マ、マルコさん!?」
「で、行くのか?合コン」
「行くしか・・・ないんじゃないですか、ねぇ・・・」
別に彼氏でもないマルコに、何故か後ろめたさを感じ目を逸らす
「嫌なら」
「はい?」
「嫌なら断れば良いだろい?」
「・・・だって、人数合わせでも構わないって云ってましたし。夕飯もそこで済ませようかなって」
何でこんなに怯えてるんだ?
別に彼氏彼女の関係でもないのだ
私が合コンに参加しようがしまいが影響はない筈だ
「
俺が行って欲しくないんだよい 」
「・・・は?」
「だから、■■■に合コン行って欲しくないんだよい」
「な、な、何でですか!?」
突然の事で言葉が上手く出てこない
「何でって・・・その・・・
お前が好きだからだよい 」
「・・・ッ・・・!!」
突然の告白で、思考が停止した
「い、い、いきなり云われても困ります!!ってか、えぇえ〜ッ!?」
頭を抱えしゃがみ込む
ふと、誰か聞いてやしないかと周りを見渡したが、誰も居なくて安堵した
「答えは急がねぇ。よく考えてくれよい」
マルコさんはそれだけ云うと、オフィスを出て行った
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