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「お姉さん、観光客ぅ?」
「一人でブラついてんの?」
「俺達と遊ばない?」
忙しい時に、クソ面倒な奴らに話し掛けられた
「あ、今、忙しいんだ。また今度な?」
後ろ手に手を振り、その場を去ろうとした
「待てよ、姉ちゃん」
「こっちが下に出てると思って」
「予定変更ぉ〜」
話し掛けて来た3人組は卑下た笑いでこっちを見ている
「(マズイな・・・)」
敵に後ろを取られるのはマズい
だが、ココは人通りが多い場所に移るのが良案だ
「あ!待てッ!!」
「待ちやがれ、この女ァッ!!」
「鬼ごっこなのぉ?焦らしてくれちゃってさぁ〜」
走り出した私を追いかけて来る3人
「(マズイ・・・どんどん人気がなくなってないか?ってか、サッチ!お前、どこ行きやがったんだよぉッ!!)」
走りながら、何か良い案がないか考えていると袋小路に突き当たってしまった
「ハッ!!」
壁を背に振り返ると、3人組が既に追いついていた
「へぇ〜ココが良いの?」
「お姉さんも案外、イイ趣味してんじゃん」
「焦らされた分、楽しませてねぇ〜?」
ジリジリとにじり寄ってくる3人
「あ・・・ッ、く」
寄られた分、後ろに下がる
しかし、焦っている分、足元がおぼつかない
「うわッ!!」
足が絡んで尻餅をついてしまった
「・・・あれれぇ?」
「お姉さん、白ひげの人ぉ?」
「白ひげかぁ〜でも、やっぱり女だからねぇ〜」
尻餅をついた拍子に白ひげの入れ墨が出てしまった
「バレちゃったか・・・」
出来れば、白ひげの関係者って事は隠して滞在したかったんだがなぁ・・・
そう思いながら、右の腿に手を伸ばす
「何々ぃ〜?誘ってんのぉ〜?」
「結構イイ足してんじゃん」
「その気があったんなら、最初から云ってよねぇ〜・・・」
男たちは足を見て、だらしのない笑みを浮かべている
「(オヤジ、ゴメン。悪いけど、使っちゃうから・・・)」
伸ばした腿のホルターに手を掛けるが、何も引っかからない
「アレ!?・・・って、
なぁーいッ!? 」
いつもなら、護身用に小銃を持ち歩いているのに、今日だけ何で持ってないんだ私!!
「なに騒いでんの?」
「騒ぐんなら、俺達と騒ごうよ?」
「イイ声で鳴いてねぇ〜?」
慌てている様をあざ笑うように寄って来る3人組
「来るな・・・」
精一杯睨みつけても、効果はあまりない
「強がっちゃって、可愛いね?」
「俺、年上って初めてカモ」
「最初は俺からねぇ〜?」
1人の男が肩に手を掛ける
「(サッチの奴、どこ行ったんだよぉ・・・ッ)」
はぐれたのは自分なのに、サッチのせいにしている
でも、頭に浮かんで来るのはサッチの顔で
「あれ?震えてんの?」
「大丈夫、すぐに良くなるから」
「そうそう。俺達、上手だからさ」
抵抗をしてみるが、やはり3人組
力では勝てる筈もない
「 どこ行ったのよ・・・サ・・・
サッチぃいいッ!! 」
力の限りの大声で呼んでみる
「サッチ?誰、それ?彼氏?」
「聞こえないんじゃない?こんな辺鄙な場所じゃ」
「それよりも、俺達と楽しもうよぉ〜」
スカートの中に手が入りそうになったが、そこから先に進んでこない
「お楽しみのところ悪ぃが、邪魔すんぞぉ〜?」
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