第2回リクエスト祭 | ナノ

C


「お姉さん、観光客ぅ?」

「一人でブラついてんの?」

「俺達と遊ばない?」


忙しい時に、クソ面倒な奴らに話し掛けられた


「あ、今、忙しいんだ。また今度な?」


後ろ手に手を振り、その場を去ろうとした


「待てよ、姉ちゃん」

「こっちが下に出てると思って」

「予定変更ぉ〜」


話し掛けて来た3人組は卑下た笑いでこっちを見ている


「(マズイな・・・)」


敵に後ろを取られるのはマズい

だが、ココは人通りが多い場所に移るのが良案だ


「あ!待てッ!!」

「待ちやがれ、この女ァッ!!」

「鬼ごっこなのぉ?焦らしてくれちゃってさぁ〜」


走り出した私を追いかけて来る3人


「(マズイ・・・どんどん人気がなくなってないか?ってか、サッチ!お前、どこ行きやがったんだよぉッ!!)」


走りながら、何か良い案がないか考えていると袋小路に突き当たってしまった


「ハッ!!」


壁を背に振り返ると、3人組が既に追いついていた


「へぇ〜ココが良いの?」

「お姉さんも案外、イイ趣味してんじゃん」

「焦らされた分、楽しませてねぇ〜?」


ジリジリとにじり寄ってくる3人


「あ・・・ッ、く」


寄られた分、後ろに下がる

しかし、焦っている分、足元がおぼつかない


「うわッ!!」


足が絡んで尻餅をついてしまった


「・・・あれれぇ?」

「お姉さん、白ひげの人ぉ?」

「白ひげかぁ〜でも、やっぱり女だからねぇ〜」


尻餅をついた拍子に白ひげの入れ墨が出てしまった


「バレちゃったか・・・」


出来れば、白ひげの関係者って事は隠して滞在したかったんだがなぁ・・・

そう思いながら、右の腿に手を伸ばす


「何々ぃ〜?誘ってんのぉ〜?」

「結構イイ足してんじゃん」

「その気があったんなら、最初から云ってよねぇ〜・・・」


男たちは足を見て、だらしのない笑みを浮かべている


「(オヤジ、ゴメン。悪いけど、使っちゃうから・・・)」


伸ばした腿のホルターに手を掛けるが、何も引っかからない


「アレ!?・・・って、なぁーいッ!?


いつもなら、護身用に小銃を持ち歩いているのに、今日だけ何で持ってないんだ私!!


「なに騒いでんの?」

「騒ぐんなら、俺達と騒ごうよ?」

「イイ声で鳴いてねぇ〜?」


慌てている様をあざ笑うように寄って来る3人組


「来るな・・・」


精一杯睨みつけても、効果はあまりない


「強がっちゃって、可愛いね?」

「俺、年上って初めてカモ」

「最初は俺からねぇ〜?」


1人の男が肩に手を掛ける


「(サッチの奴、どこ行ったんだよぉ・・・ッ)」


はぐれたのは自分なのに、サッチのせいにしている

でも、頭に浮かんで来るのはサッチの顔で



「あれ?震えてんの?」

「大丈夫、すぐに良くなるから」

「そうそう。俺達、上手だからさ」


抵抗をしてみるが、やはり3人組

力では勝てる筈もない


「 どこ行ったのよ・・・サ・・・サッチぃいいッ!!


力の限りの大声で呼んでみる


「サッチ?誰、それ?彼氏?」

「聞こえないんじゃない?こんな辺鄙な場所じゃ」

「それよりも、俺達と楽しもうよぉ〜」


スカートの中に手が入りそうになったが、そこから先に進んでこない


「お楽しみのところ悪ぃが、邪魔すんぞぉ〜?」

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