叶ヤ髪商事 | ナノ

第5話


「■■■、コレ、届けて来て」

「断るッ!!」

「断るんじゃねぇよ」


■■■に拳骨を1発食らわせ、書類を持たせるシャンクス


「ったく、お前はこの会社の雑用として雇われてんだからな?」

「でも、社長の小間使いになった覚えはありません」

「会社の雑用=俺の雑用なんだよ…バーカ」

「何だと!?この…変なズボン!」

「うるせぇ、魅力ナシ女!」

「甲斐性ナシのダメおっさん!」

「常識ゼロの干物女!」


社内に響く罵詈雑言


「いい加減にしろ、ダメ上司、ダメ部下」

「「 あ…ハイ 」」


ベンが止めに入った


「ったく、どっちも事実を云い合ってんじゃねぇよ」

「「 (¯□¯;)!? 」」


ベン・ベックマンという男は、オブラートという言葉を知らない


「社長…書類出してきてあげます…」

「あぁ、頼んだよ…■■■ちゃん…」

「最初っから、素直にそうやってりゃ良いじゃねぇかよ…」

「逝ってきます」

「「 字が違うぞ!? 」」


■■■は書類を片手に会社を出る


「えっと…この角を曲がって……え?コンビニ!?


どう見ても、コンビニエンスストアだ

24時間営業してますという、あのお店だ


「ウチの会社、コンビニがお得意様なの…!?」

「何だ?お前…俺の店に何か用事か?」

「えっと……うわ、デカい鼻

「殺すぞ、派手バカが!」


社長がくれたメモによると、場所はあってるし…


「アナタが、バギー店長ですか?」

「そうだが?」

「あぁ、社長が云ってた事、合ってたんだ…」

「社長?」

「えぇ、この店に赤くてデカい鼻の男がいるから、そいつに書類を渡せって…」

「貴様…シャンクスの手下か!?

「いいえ、決して手下になった覚えはありません。誰が好き好んで、あんなおっさんの手下にならにゃイカンのですか!?」

「……そうか、それなら…って良いワケあるかいッ!!」


この人は、きっとボケ・ツッコミなら、間違いなくツッコミだろうな…


「で?シャンクスの野郎は何の用事で、お前をよこしたんだ?」

「コレを渡せば良いって云ってました」


どうぞ、とバギーに書類を渡す■■■


「どれどれ…?あぁ、この間の依頼の結果報告か…マメだな、意外と」

「へぇ…あの人、報告書作れるんだ〜」

「いや、アイツ、社長だろ?出来なきゃダメだろ?」


大丈夫か?アイツの会社…なんてブツブツ呟きながら書類に目を通す


「分かった。今、捺印してやっから、待ってろ」

「分かりました」


そう云うと、バギーは店の事務所に入って行く


「ほらよ」

「あ、ありがとうございます」

「あぁ、それと伝言」

「何ですか?」

「死ね、ブァーカッ!!」

「 (T□T;)!! 」

「いや、お前に云ったんじゃねぇよ。シャンクスのクソ野郎に伝言だ」

「あ”い”……」

「泣くんじゃねぇよ…」


制服の裾で涙を拭ってやるバギー


「じゃあ、失”礼”じま”ず…」

「おう、気を付けて帰れよ?」


■■■の姿が見えなくなるまで見送るバギーは、ちょっとだけ『はじめてのおつかい』のお母さんの気持ちになっていた


お得意様の1人



「ただいま帰りました」

「おぅ、お帰り」

「どうだった?」

「あぁ、捺印して下さいました。あと……死ね、ブァーカッ!!だそうです」

「………頭、何やったんだよ?」

「いや、アイツ、俺のこと嫌いだから…」


何故、シャンクスを嫌うバギーがお得意様なのかが疑問でならないベン・ベックマンであった


END

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