叶ヤ髪商事 | ナノ

第43話


「・・・なんで?」

「お前が」

「居るんだよい!!」


それはこっちのセリフじゃぁあああ!


事件は現場で起きています


「ちょ、ちょ、■■■ちゃん!?どうしてなの!?」


サッチが信じられないという気持ちで見つめてくる


「どうしてって云われても・・・付き添い?」


質問されたのに、疑問形で答える■■■


「誰のだよい。この席、お前しか居ねぇじゃねぇか」


マルコが眉間に皺を寄せている


「いや、ホントは付き添いだったんだって!でも、友達が急に来れなくなったから・・・」


■■■は必死で言い訳をしている

その姿はさながら、浮気現場に出くわした彼氏彼女のようだ


「だったら、お前も来なきゃ良かったじゃねぇか・・・」


不貞腐れたように頬杖をつくエース


だって、現金先払いだよ?勿体ないじゃない


真顔で答える■■■

コイツはこういう人間だ


「だからってお前・・・街コンに来るなよ」


エースは頭を抱える


「そんなこと云うなよ。お前だって来てるんだから」

「え?」

「あ?」

「・・・誰?」

「お前・・・」


突然の声に一同が振り返る


「「 サ、サボ! 」」


エースとマルコが目を丸くする


「な、何でお前・・・ってか、お前も街コン参加者か!?」

「まさか。おれは主催者側」


“ほら、社員証”とネームプレートをブラブラさせるサボ


「お前、いつこっちに戻ってきたんだよい?」


“戻ったんなら連絡寄こせよ!”とエースが怒る


「ん?あ、こっちにはさっき戻ったんだ。コレ終わったら連絡しようかなって思ってたんだよね。あ、ルフィは元気か?」


マイペースで、ハハハと笑うサボ


「あのぉ・・・盛り上がってるトコ悪いんだけど」


そぉーっと片手を挙手しながら話を中断するサッチ


「なんだよ?」


その様子にエースが顔を顰める


どちらさん?


サッチは眉を下げながらサボを指差す


「お前、知らなかったっけ?」

「うん」

「サボだよ」

「名前は分かったっつーの!お前らとどういう関係なんだって話だよ!」


サッチが憤慨する


「スマン!私にもそこら辺を説明してはくれまいか!!」


便乗して■■■も名乗りを上げる


「えっと・・・」


どこから話せば良いのかと頭を掻きながら考えるエース


おれはエースと兄弟だよ


サラッと爽やかノンフライなスマイルで告げる一言が衝撃的だった


「エースって・・・一人っ子じゃなかった?」

「出来たお兄さんをお持ちで・・・」


サッチも■■■もきょとんとしている


「兄弟って云っても、エースとは血の繋がりはないよ?あ、勿論ルフィとも。でもね、おれ達、兄弟なんだ」


更にややこしくなった


「おれはエースと5歳の頃から一緒に暮らしててね。今はルフィの親父さんの所で世界各地を回ってるんだ。あと、エースが1/1生まれ、おれが3/20生まれだから残念だけどエースがお兄ちゃんだよ」


マイペースに掻き乱すサボ


「えっとー・・・とりあえず、エースがお兄ちゃんでサボ君が弟でルフィ君が末っ子なのね?で、ルフィ君のお父さんの会社でお仕事してると・・・けど、さっきこっちに戻って来た、と」


■■■が何とか理解したようだ


「お前、今日どうすんだよ?」

「ん?」

「どこに泊まんだ?」

「決まってるじゃないか!ルフィんトコだよ」

「お前、ルフィのこと大好き過ぎるだろ・・・」

「弟のことが嫌いなお兄ちゃんが居るもんか!」


どうやら兄バカらしいぞ、この人


「ってか、これ、街コンなんだからさ?ちゃんとお話ししなよ?おれとじゃなくてさ?」


「「「 お前(君)が急に現れたからだろ!? 」」」

「ハハハ♪息ぴったりだね、3人共。で、■■■ちゃんは飲み物大丈夫?」

「え、あ・・・じゃあお茶下さい」

「お酒飲んでないの?」

「あ、今日運転なんで」

「代行は?手配するよ?」

「いや、そんなにお酒飲みたいワケじゃないんで」

「そっか。で、緑茶?ウーロン茶?」


サボはエースら3人の様子を楽しみながらも、きちんとイベンターとして仕事をしている


梅こぶ茶で!

「随分と渋いの飲んでるね?」

「美味しいんですよ?」

「へぇ〜じゃ、今度飲んでみる」


何故か、イベンターのサボと■■■が街コン状態となっている


「お前はさっさと仕事しろよ」


その様子を見て、エースがむくれている


「してるじゃないか。ってか、エース」

「あ?なんだよ?」


チョイチョイと手招きすると、小さな声で耳打ちする


「良いから、こっち」

「ヤローの耳打ちなんて気持ち悪ぃんだよ・・・」

「(良いのか?今日、ちゃんと云わないと■■■ちゃん、おれが貰うぞ?)」


意地悪く云うと、ニッカリと笑うサボ


△?■☆♪!%&$@・・・!?


ただただ驚くエース


「おれの情報網、舐めんなよ?」


サボの爽やかノンフライなスマイルが悪魔の笑顔に見えたらしい


コンに



「あ、残り20分だぞ?ちゃんと話して街コンして下さい?」

「ってか、サボで10分使ったとか・・・」

「おいマルコ。エースが再起不能になってんだけど?」

「マルコさん達相手に、今更自己紹介とか・・・変だよね?」

「(何でサボが知ってんだよ・・・!?)」


街コン会場でも、このテーブルが一番不思議な組み合わせとなったのは云うまでもない


つづく

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