叶ヤ髪商事 | ナノ

第13話


「……おい、頭」

「ん?どうした?」

「アレをどうにかしろ…」


ベンが指を差した先には、■■■が居た


「■■■がどうかしたのか?」

「アイツ、唸りながらPCいじってるぞ?」


普段はスラスラと書類作成などをしているのに、今日に限ってああなっているから、ベンも心配になっている


「おーい、■■■ー?お前、どうしたんだー?」


シャンクスが話し掛ける


「今、話し掛けんじゃねぇ!!」


仮にも雇い主のシャンクスへ何という態度だろうか…

当の本人は必死過ぎて気付いていない


「コラッ!!どうしてそんな口を利くんだ!?」

「諦めろ…今はそれどころじゃない…」


シャンクスとベンが静かに見守っている


「……どうしてだ!?」


2人が耳を澄ませば聞こえるのは、疑問の声


「■■■、一体どうしたんだ?云ってみろ」

「あ、ベンさん」

「( どうしてベンには優しい態度なの?■■■ちゃん…? )」


シャンクスは不思議でならない


「お前はさっきから何をやってるんだ?」

「あ、あのですね? 今、ワードで書類作成をしてたんです。でも…」

「でも、どうした?」


ワードなんていつも使っている機能だ

今更使えないワケないだろう?そう思うベンとシャンクス


「このイルカが消えないんです!!」

「「 は? 」」



■■■は、ヘルプ機能で現れるイルカが邪魔でイライラしていたようだ


「私、消し方が分からなくて…しかも、今日に限ってクリックしたい場所にいるから、さっきからイルカが喋るんです」

「……右クリックすれば移動するぞ?イルカ」

「えぇえええッ!?」


シャンクスの発言に驚く■■■


「おい…まさか、頭も消し方知らねぇとかねぇだろうな?」

「いや、さすがに知ってる…」


ベンの取り越し苦労だったようだ


「ベンさん、消し方分かりますか?」

「左クリックして、“表示しない”を選択しろ。すると消える」

「あぁ…消えた」


■■■は嬉しそうだ


「私、消し方分かんなかったからイルカで検索しましたモン」

「検索?」

「何をだ?」


シャンクスとベンの不安は強くなる


「検索欄に、“お前の消し方”って入力しました」


2人は絶句した


どうしてそうなった?



「そしたら、アイツ…“質問の意味がわかりません”って云いやがったんですよ!?」

「まぁ、だろうな?」

「イルカも身の危険を感じたんじゃないのか?」


ヘルプ機能で助けて貰えない■■■は凄いと感じた2人であった


END

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