「ばーたかのめ・・・?」


先日、叶ヤ髪商事に来た依頼人


「社長の知り合いって云うけど・・・」


カランとドアベルが鳴ると、中から渋い髭のオッサンが出て来た


「お前が赤髪の云っていた派遣か」

「ハイ」


確認が取れると、中へ通された


「女。名前は?」

「・・・は、はぁ。叶ヤ髪商事から参りました、■■■●●●と申します」

「俺はジュラキュール・ミホーク。赤髪からは“鷹の目”と聞いていただろう?」

「ハイ。あ、あの・・・?」

「何だ?」

「今日の仕事っていうのは・・・?」


社長から鷹の目と呼ばれているオッサンの依頼内容が不明だ


「赤髪から聞いていないのか?」

全くです

「赤髪らしいな」


鼻で笑うと、1枚の紙を見せる


「コレは?」

「今から追って欲しい男だ。尾行に気付かれないようにしろよ?」

「・・・は?」


人を尾行するの?

ってか、バーの仕事しないの!?


「お前は今、何故、バーの仕事をしないのか?と思っているな」

心、読まれた・・・!?

「思っている事が顔に出ている。読まずとも分かるぞ」

「あ、そうですか・・・」

「俺は、探偵稼業の傍らでバーをやっている。もちろん、バーは夜のみの営業だ」

「そうなんですね・・・」

「早速だが、3丁目のマンションに居るという情報がある。行って来てくれ」

「その前に、1つ良いですか?」

「何だ?」

「何で、私なんですか?」


探偵の仕事なんて超ド級の素人な私に尾行させようとしているのだろう?


ナイショだ

「そんな渋い顔でナイショとか、めっちゃ可愛いッスよ・・・」


若干ドヤ顔で云われてしまった


「じゃあ、まぁ、行って来ます・・・」

「●●●」

「ハイ?」

「・・・気を付けろ、いろいろと

「どういう意味!?」


バレないように気を付けろ

車に気を付けろ

それ以外に、何に気を付けたら良いのだろうか?

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