はじまり
「う、わ」
どしん、
派手にこけてしまったようだ
鈍い痛みが体全体に響く
目の前には散らばった教科書やらレポート
つくづく自分の鈍くささに嫌気がさした
「…大丈夫か?」
「え、」
涙目で座り込んでいた私の前には、いつのまにかプラチナブロンドの男の子
あのドラコ・マルフォイがいた
「…気をつけろよ」
マルフォイは私がぶちまけた教科書を拾い
ほら、と私に手を差し伸べる
「ありがとう…」
私は彼の力を借りて立ち上がり、教科書を受け取る
「もう、転ぶなよ」
あきれたように笑いながら彼は私の前から去っていった
誰もいない廊下
「…かっこいい」
その瞬間、わたしの恋が始まった