(12.02.22)
シスコンシリーズの黒木ときり丸♀
庄→彦♀
明日ってさあ、猫の日なんだって。
本物の猫よりもよっぽど気まぐれで猫のような友人は八重歯を見せて、にいやりと笑い、器用にペンをくるくると回す。たしか団蔵も同じようなことを言っていた気が。
お祭り(というほどのものではないかもしれないが)好きなところは変わらないのだなと庄左ヱ門は心の中でため息をつく。
それで？なにかよからぬことを企んでいるのであろうきり丸に半分呆れた口調で聞くと、彼女はよくぞ聞いてくれたと更に笑みを深くした。
「だからさ、明日、団蔵たち、猫耳持ってくるんだって。みんなでつけよーって」
「猫耳って、どこで」
「ドンキで買い占めるって喚いてた」
「頭が痛いよ」
「まあまあ」
兵太夫三冶郎も乗り気だから、庄ちゃんも強制参加だぜときり丸はケラケラ笑う。
楽しいことが好きなのは彼女も同じだ。
「でも、あれ、庄ちゃん乗り気じゃあない？こういうの意外と好きじゃん」
「猫みたいに厄介な人がいるからね。最近猫、あんまり好きじゃあないんだ」
「ああ……ありゃあ、猫っつうか狐だろ」
ま、ごしゅーしょーさま。
手を合わせた彼女はやっぱり笑っていて、本当に、今も昔も変わらない。
庄左ヱ門は今度は心の中だけではないため息をついた。
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