■七月十八日


長かった週末、僕は先週の草壁の言葉を考えた。

僕は、沢田のことが好きなのだ。

認めてしまったら、なんだかすっきりした。
あの子の笑顔を守りたい。この先、触れることができなくてもいい。
側に居てくれるだけでいいのだ。

そんな感傷に浸りながら、自分の欲求は抑えて接していこうと決心した。

なのに。

放課後沢田の仕事が終わり、いつものように彼の髪をくしゃくしゃにしながら送り出そうとした時。
彼は突然僕に抱きついて、ぶつけるようにその唇を押し当てたのだ!(何処にって、もちろん僕の唇にだ!)
しかも舌が!舌が進入してきてる!
目が点、なんてモノではない。黒目なんか無くなって、全部白になっていたのではなかろうか。少なくとも頭の中は真っ白だった。
暫く僕の口内で彼の舌が蠢いていたが、また突然唇が離れたかと思うと、顔を茹蛸のように真っ赤に染めた沢田が叫んだ。
「俺やっぱり!ヒバリさんとぎゅってしたいし、キスしたいんです!!」
そのまま呆然としている僕を置き去りにして、沢田はうわああと意味不明な叫び声を上げながら応接室を飛び出していった。

いまだ状況が飲み込めず、立ち尽くす。

・・・というか、
僕の決心は・・・?





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