■七月七日


「あと一日だね」
沢田に頭を抱きかかえられながら、僕はぼそりと言った。
今日で最後になるであろう草壁の授業を終え、僕らが触れ合えるほんの少しの時間だ。
沢田はこれから家に帰り、今度は赤ん坊にきっちりと仕込まれるのだ。
リボーンの授業なんて、草壁さんのとは比べ物にならないんですよ、なんて言っていたっけ。どう比べられないのかは知らないけど。
沢田はゆっくり腕を離すと、僕をじっと見つめた。
「雲雀さん・・・明日、試験終わったら・・・」
そこで言葉を切り、その後を続けることなく目を逸らした。
そのままいつまで経っても口を開こうとしないので、何、と聞くと、無言で首を振った。
「何でもないです。明日、がんばらなくちゃ!」
へへ、と笑って、彼は応接室を後にした。
その笑顔はどこか無理をしているように思えた。




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