■七月四日


先週一週間、どんなに月曜が待ち遠しかったことか。

ここのところ試験前ということで放課後の沢田の仕事はなし。
代わりにこの応接室で、草壁が勉強を教えている。
つまり、二人でいる時間がほとんど無いという事。
金曜日に沢田が自分から僕にキスをしたのは、正直驚いた。しかしその時の沢田の顔は、今思い出しても思わず悶えてしまうくらい、アレだった。
あんな彼を見ることができたのはまあ、試験勉強のおかげと言えなくもない。
が、欲求は高まる一方である。
そんな訳で、僕はこの月曜の昼休みを、彼と二人きりのの昼食を楽しみにしていたのである。
なのに。

「ガハハハハ、ランボさんもお弁当だもんね〜」
「す、すみません、うちのちび、お弁当羨ましかったみたいで・・・」
沢田の手に二つ、そしてこの餓鬼の頭の上に一つ。
三つの弁当箱が、僕の視界の中でまるで群れているようにカタカタと音をさせていた。
それを見た途端、条件反射のように僕はトンファーを振るっていた。
餓鬼は変な声を出しながら、窓ガラスを突き破って飛んでいった。
「ヒ、ヒバリさん・・・」
はっと我に返り振り返れば、引きつった沢田の顔。
・・・やってしまった。
僕は興奮で上がった息を整えながら、なるべく穏やかな顔で言った。
「食べようか」
「あ、はい・・・」

もう、どうこうする雰囲気ではなくなってしまった・・・。






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