■六月二十八日


信じられない。
沢田は応接室に来るなり言ったのだ。
「ヒバリさん、俺、明日から応接室に来られません」
沢田の肩に両手を置き唇を近づけようとしていた僕は、そのまま固まった。
頭の中でめまぐるしくいろんな思いが駆け回る。
舌は入れなかった。あんなに何度も繰り返したのがいけなかったのか?しつこいと思われた?いやでもあの後の甘い雰囲気は何だったの?
あまりにも頭をフル回転させたせいか、冷や汗まで出てきた。
「中間テスト悪かったから、学校終わったらすぐに帰ってテスト勉強しろって、リボーンが・・・」
そう言われて気が付いた。
そういえば来週水曜日から期末試験が始まる。部活動ももうそろそろ休みに入る頃だ。
帰って勉強・・・赤ん坊の言うことは最もだった。が。
冗談ではない。
やっと、沢田に触れられるようになったというのに。
「・・・僕が、教える」
「え?」
「分からない所は教えてあげるから、ここでやるといい。どうせ家で一人でやってても、効率上がらないんでしょ?なら、先生が居た方がいいんじゃない?」
あまりにも必死な自分が笑える。
しかしその言葉を聞いて、沢田の顔が明るくなっていった。
「あ、ありがとうございます!リボーンに話して来ますね!」
言うなり、走って部屋を出て行った。
廊下は走るな・・・というか。
結局今日は、何も出来なかった・・・。






prev next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -