■六月二十五日


土曜日だと言うのに、家にいても落ち着かず、学校に来てしまった。
仕事をしに来ていた草壁は少し驚いた顔をしたが、何も言わなかった。
学ランを羽織って、見回りに出る。
町は休日の賑わいを見せていたが、人々の表情がいつもより柔らかく見えるのは、気のせいだろうか。
沢田の家の前を通ると、子供たちのはしゃいだ声と、それを嗜める様な彼の高い声が聞こえた。
僕は立ち止まり、暫くその声を聞いていた。



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