■六月十三日


朝から沢田の周りに、異様な空気が漂っていた。
彼自身ではない、彼の周りが・・・。
それが何なのか分からず、落ち着かない気分でいると、草壁が応接室にやってきて報告をした。
「沢田さんが、マフィアのボスの愛人だと言う噂が・・・」
・・・確かにボスには見えないが、愛人って言うのは何だ、愛人って言うのは!
昼休み、いつものように弁当を二つ抱えて応接室のドアを開けた沢田は、部屋に入るなり疲れ切ったような顔で、眉を寄せながらへら、と笑った。
恐らく周囲から、いろんな意味合いでの好奇の目で見られたのだろう。
・・・ムカツク。



prev next
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -