■五月二十七日


朝校門の前で風紀検査をしていると、遅刻ぎりぎりで沢田がやってきた。
挨拶をして通り過ぎようとしたがので、その襟首をつかんで捕まえた。
「・・・君またこんなに跳ねてる。髪くらい梳かしてきなよ」
「梳かしてます!」
逃げようと暴れる沢田を押さえつけていると、後ろから
「あの、雲雀さん!」
と声が聞こえた。
見ると、よく沢田と話している女子が立っていた。
「京子ちゃん?」
沢田は僕の腕から覗き込むようにして声をかけた。・・・フン、下の名前で呼ぶんだ。
「あの・・・この前、スカーフ取って下さってありがとうございました!」
顔を赤らめ走り去る彼女と僕の顔を交互に見やり、沢田はいぶかしげな顔をしていた。




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