■五月十一日


今日は珈琲を出してみた。
沢田は一瞬ぱちぱちと瞬きをしてから、やはりミルクと砂糖を三つ入れて飲んだ。
いつもならほとんどをすぐに飲んでしまうのに、今日はカップに半分ほどの液体が残されたままだ。珈琲は苦手なのかもしれない。
それでもちびちびと舐める様にして飲みながら、数学の時間に行われた小テストについて話していた。
「獄寺くん、四月からずっと満点ばっかりなんですよ〜。この前の日曜日、うちで一緒にテス勉したのに、何でこんなに違うのかなあ」
・・・次珈琲を出すときは、ミルクと砂糖は隠しておこう。



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