■五月六日


連休が終わり、ようやく日常が戻り始めた。
校舎内からは、特有の賑わいが感じられる。
下校のチャイムがなるとすぐ、あの子が応接室に駆け込んできて、鞄からなにやら小さな物を取り出した。
「これっ、遅れましたけど、プレゼントッ」
と叫びながら僕の鼻先に突き出したのは、小さなひよこのストラップだった。
「ヒバードに似てるかなって・・・その・・・これは、違反じゃない、ですよね?」
そういえば以前、彼が持ってきた菓子を捨てたことがあった。
僕は彼の手からストラップを抜き取って、言った。
「鞄につける飾りまでは、校則に記されていない。」
彼は安心したような顔を見せて、
「お誕生日、おめでとうございます。」
と、微笑んだ。
その後、話しのついでに休み中何処かに出かけたのかと聞くと、
「獄寺くんと山本とゲーセン行きました!新しい機械が入ってて。面白かったですよ。ヒバリさんも今度行きませんか?」
などと言うので、
「行かない」
と即答した。
さっきまでの和やかな空気とは一転、気まずい沈黙が走る。
・・・ほんと、ムカつく・・・。





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