「ばいばい、シリウス。」
「あぁ、じゃあな。」

あぁ、もう、今日が終わる。
いっつもこうやって分かれるけど、いつだっていつだって「またね、」なんて口にしたことが無いの。だって、口にしたら、もう彼が私に会ってくれない気がして。でも、実際そうだと思うの。だって私は彼の数ある女の子の友達と言っていいのかわからないそんざい、その中のたった取るに足らない一人なんだから。出しゃばったら、そこで、もうこれはおしまいなのよ。ばいばい、じゃあな。綺麗じゃない。これで最後になったって、惨めじゃないじゃない。これが綺麗で、一番言い別れ方なんだと思うわ。

『あなた、馬鹿よ。』

いつだったかな。彼と同じ寮の、百合の彼女に言われたのは。そうね。馬鹿なんだわ。私。私だって可愛くないわけじゃないの。告白だってされたことくらい何度もあるわ。げんに彼の友達にだって告白されたの。そう考えて再認識してしまう。あぁ、私、彼を中心に考えているのね。誰かと話している時も何をしている時も。あぁ、これが彼だったら、彼だったら、無意識に誰かを彼と比べているのね。最低じゃない。あぁ、どうして。こんな汚い関係をいつまで続けるのかしら。もう、終わらない気がするのは何故かしら。

「なぁ――。」
「っなあに?」
「――――またな。」
「……………またね。」

あぁ、ほら、だってこんな些細な彼の一言でも、涙が止まらない。



ほんとはシリウスも彼女のことが好きなのですが、なかなか伝えられずにじれったい。ジェームズは頑張ってくっつけようとするけれどいつもリリーに怒られてるといい。
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