私の部屋に居候している男は大変厄介な存在である。髪の色はフリーダム顔の化粧はフリーダム服装もフリーダム行動もフリーダム。部屋から出るなと言うのにやたらと外に出ようとするし、部屋の中をあさるなと言っているのにやたら引き出しを漁ろうとする。こんな変態は初めて見たと驚くほどこいつはそれから変態だ。
ドッキリマンチョコスターだとか何とかいう能力のおかげで自分の姿は一応は隠せるらしく、(だったら姿隠して外へ行って盗みでもすればいい)私が学校に行っている間は部屋で好き勝ってしているヒソカと言う男は、別の世界から来た元盗賊らしかった。
まだ若いのに人生に若干退屈していた私にとって、ヒソカの話は良くも悪くも刺激的で楽しいものだった。(ただし、奴の趣味が人殺しと言うのはさすがにいただけない。)やつの念能力とやらを見ているのも興味深いものだし、なによりこの家で話し相手がいない私にとってヒソカは唯一のそれであった。
私がひそかに抱いた第一印象は変態っぽいだ。それは見事に当たっていた。年下の強い男の子を思い出して興奮したり、殺し屋の友達を思い出して興奮したり、自身が所属する盗賊団の団長を思い出して興奮したり。あ、こいつ興奮してばっかじゃねえか。
「あんたって変態ねぇ。」
「人間だれしも変態だよ。」
ヒソカの水色の髪をなぜながらそういうと失礼極まりないことを言われた気がする。髪を一本抜けば私の髪も一本抜かれた。
「あ、やだ。あんたなんかにうかつに髪の毛渡しちゃいけないわ。」
「あいにく僕は髪の毛食べて相手を探る能力は持ってないよ。」
「信用ならないもの。」
そういうとそりゃ一理あると言ってヒソカは笑った。