空色の涙
斎藤さん。
あれから一週間が経ったよ。
斎藤さんがいなくなった後、嘘みたいにみんなの記憶の中から彼はいなくなっちゃった。
「あき――。学校行くぜよ――!」
「んー。今行く。」
たまに、斎藤さんがいた時のこと、全部夢だったんじゃないかって思うんだ。
でも、一歩、一歩と踏み出すごとにチャリ、となる音が、私にそれは違うって教えてくれる。
斎藤さんがいなくなって、斎藤さんが来ていた服も気づくとなくなってしまっていたけれど、それでも、斎藤さんがくれたこのペンダントだけはなくならなかった。
「今日も晴れとるのぅ!!」
「うわ、ちょー晴天!」
斎藤さんが帰ってからね、きらきらひかる太陽に反射した朝露を見るととてもきれいでいつも綺麗な斎藤さんを思い出すの。
ねえ、斎藤さんと会うことはきっと二度とないんだろうけど、
それは十分理解しているけれど、どうしても私は思わずにはいられないんだ。
「また…会える、よね」
斎藤さん、大好きだよ。
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20111216