涙色の恋
何時間経っただろうか。斎藤さんの体を通して野原の緑が見えた。少し腕に力を込めて斎藤さんの体を押せばぎゅ、とさっきよりもより強く抱き締められた。
「あき……ッ!!あき…!」
堰を切ったように名前を呼び続ける斎藤さんの体をもう一度押せば今度は少し体が離された。
今にも泣きだしそうな顔をして。
「斎藤さん。」
「……あぁ。」
「斉藤、さん。」
言わなきゃ。
「さようなら。」
元気でね。
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