りんご味のコーヒーA



「で?なにを聞きたいんだ?」
「新撰組に付いてとかその他もろもろとか。」
「……はぁ。まあとりあえず新撰組についてだが、」

棚から一冊の本を取り出す先生。新撰組の歴史だって。流石オタク。あ、間に合って言わないと殴られるんだっけ。

「まず、この人が近藤勇。新撰組のトップになる人だ。」
「ふーん。ゴリラっぽいね。」
「殴るぞ。で、この人が弐番目に当たる土方歳三。」
「へぇ。イケメン。」
「そうか。で、これば総長の山南敬介。」
「へえ……」

ゴン!!

「いったい!!なにさ!」
「おっまえは人に聞いといてことごとく興味なさそうだな!お前は結局一体何が知りたいんだ!」
「いや!斉藤さんに付いて!」
「斉藤さん?斎藤一かぁ?」
「うん!」
「返事は、はい、だ。つかなんでそんなマイナーどころ知ってんだ!」
「喋ったから。」
「お前いい加減にしろ。で、斉藤一、だったな。あの人はたしか江戸が終わって明治まで生きたんじゃなかったか…」
「明治は江戸の後ですね!」
「ドヤ顔してるが常識以前の問題だ。新撰組が鳥羽伏見の戦いで破れて、近藤勇が斬首。一番隊隊長の沖田総司も結核で倒れ、土方歳三も五稜郭の戦いで死んだ。それで隊士はばらばらになって、斉藤一は生き残りだな。明治政府で警察官になった。」
「え、新撰組、負けちゃったの…?」
「負けちゃったんですか、だ。…あぁ。」
「それ、さっきのビデオで流したの?」
「……はぁ。あぁ。それが?」
「そっか・・・それでショック受けちゃったのかな…斉藤さん…」
「はぁ?なんであのビデオ見て斉藤がショック受けるんだよ。」
「私の隣りの席に座ってる字が汚いサッカー少年の斉藤じゃないよ。アイツは私の隣りでゲームに一生懸命だったもん。アイテムのおでん味のアメとれなくて大変そうだった。」
「さいとぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」


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斉藤はあほ。
主人公はバカ。

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