みかん味のハンバーグ
『あ、また・……』
最初の草原へのトリップから数日後。また気付けば草原にいた。でも私が意識ある時の最期の記憶はベッドに入ったときだ。
「お前は……」
「へ?」
声がしてぱっと振り向けば其処に立っていたのはなんか不思議とかわいい美青年だった。藍色のふわふわした髪を横で一つで縛っていて黒い着物を着ている超絶美形だ。
「さ、斉藤さん!!」
「あ、あぁ…」
戸惑ったように俯く斉藤さんに思わず感激して抱きつくと斉藤さんは石のように硬直してしまった。
「うわあうわあ、感激――!斉藤さん生で見ちゃった!!どうしよう!!」
「は、」
「は?」
「破廉恥なぁぁぁああ!」
「ぐえっ」
いきなり草の中に叩き落とされた。
「なにさ!いきなり!なに某幸村くんみたいなこと言ってんの!そんなキャラじゃないでしょ!」
起き上って抗議すると斉藤さんは至極真面目そうにいった。
「女子はいきなり男子に飛びつくものではあるまい。それにお前は俺のきゃらとやらのなにを知っているのだ。」
「ぐはっ……!!」
な、なにこの人!!今今キャラってひらがなで言ったよ……!!”きゃら”って言ったよう!!か、かわいすぎて鼻血が……。今のでご飯三杯いける…!
「む…それほど強く落としたつもりはなかったのだが、血が出ている。」
「そこで普通はすまないとか謝罪が付くと思うんですが!」
「自業自得だ。」
「ぎゃん!」
ていうかこれは生理現象だから触らない方が良いよ!!
とりあえず、おいでませ、現代!!
-------
20111011