あれから10年がたって、私は日本についていた。3年前に結婚し、今は2歳の娘がいる。
10年はあっというまで、めまぐるしく時が動いていた。それでも私は確かに幸せだった。
故郷に着くと、懐かしい記憶が呼び起こされる。学校の友達。親切にしてくれた先生。そして、あの人たちのこと。
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沢山ある墓標からかれのものを探す。途中で向日葵の花を買った。彼が好きだといった、彼のような。あのころはまだわたしはたどたどしくて、情けなくて、だから彼に会わずに10年がたってしまったんだ。
貰ったメモを片手に彼の墓碑を探す。それらしきものを見つけた瞬間、思わず笑いがこぼれおつた。
みんな考えることは同じね。 まるで向日葵畑じゃない。
グレースーツに黒縁の眼鏡。茶の髪を揺らして、そこに立つ彼は何もかわらない笑みを浮かべた。
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向日葵……私はあなただけをみつめる。
20110719
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