廻る。廻る。人も地球も、愛でさえ。 (この世はメリーゴーランドに乗っている。)


ドフラミンゴお誕生日おめでとう!!!
本編との時間軸の差は気にしない(゚Д゚≡゚Д゚)




明日は大事な日。
普段言わない言葉を言うのだ。

最初から「俺のモノ」「俺の女」扱いで、いつの間にか彼に落とされて大事な人になってて。
今は恋人同士なのに、惚れられてる強みからか胡坐を掻いて私の方からは甘い言葉を出していない。

「好き」位なら言ってる。
でもそれ以上の言葉は照れ臭くて言えてない。

いくら言葉に出すのは今更恥かしいにしても、大人の彼だから解ってくれているにしても、これは甘えすぎだと思う。
私達は決してエスパーではないし、大切な事は言葉に出さないといけないのに。

だから彼のお誕生日を切っ掛けにちゃんと好きだ、と言う事を決めた。


自身に課したノルマは「愛してる」と言葉で出す事。
…ハードル高…

いやでも言わないと駄目!
愛されてると実感が湧くのなら私もちゃんとそれを返さないと。
受身が当たり前で愛されるのが当たり前、なまま年を取って可愛くない”オバサン”にはなりたくない。
私は愛される可愛い”オバチャン”になりたいのだ!

って何言ってんだ、私。

あああ恥かしいし照れ臭いけど、過去どうしたんだっけ?
今までって… あれ?

エースの時は重くならないように「愛してる」なんて言わなかったし、その前も…そんな深い付き合いじゃなかったな。
あれ? もしかして初めて?
いやちょっと待って。初めて彼氏が出来た時から今までってどうだった?
彼氏に好きとか大好き、とか愛情表現は沢山したけど「愛してる」って言った事あるっけ?

あれれ? 言って…ない? 誰にも? 
思い返してみるとやっぱりそうだった。
まあ日本人同士だと普段「愛してる」って言わないよね。
でも、今までちゃんと付き合った人ですら言ってないのは…どうよ?
うーん。いくら今まで余り男運良くなかったにしても、この年で愛を語ってないのも寂しいかもしれん。


ヤバイ、緊張してきた。
どうしよう。
止める?
大好き、にする?

駄目。それならもう何度か言った。
しかも御褒美貰ったり美味しいもの食べさせてくれたり優しかったりした時に、軽〜く「だいすき!」って。
あああああ私の馬鹿!
「好き」で留めて「”大”好き」は言わないでおけば、明日言えたのに!!

うわー、「愛してる」なんて恥かしくて言えないかもしれない…
でも、でもでもでも!
今言わないでいつ言うのよ!
あーーーっっ もう、言うしかないんだって!


時計をちら、と見る。
もうすぐ”明日”になる処だ。

本当は日付が変わったと同時に祝ってあげたいんだけど、サプライズしてあげたいから明日のその時まで黙ってるんだ。

プレゼントは凄い悩んだんだけど、海軍コネを使って年代モノのヴィンテージワインと
書き易いと評判だけど、貴重な羽を使っている為中々手に入らないレアもののペンセット。
この2つで軽くお給料が1.5ヶ月分飛んでいった…
ドフラミンゴの下で働いているから、貰ったお給料がそっくりそのまま彼に還元されると言う、笑えるような笑えない状態。

今までだったら絶対こんな額男に貢いだりしないんだけど、今の私はドフラミンゴに支えられて生きているも同然で
一緒に過ごし始めた当時に貰ったピンクダイヤだけでも何千万か、な桁違いのレベルで貢がれてると言うか養われている。

だからこれ位いっか、で自分にしては大奮発しちゃったのだ。
そもそも生活費って彼と暮らし始めてかかってないし、買物もドフラミンゴが一緒だと全部払ってくれるしで、私がお金を使う機会が殆どなくお給料は順調に溜まっていたから問題はない。

よし。後は計画がバレないように自然に演技するだけ!
やるぞー!! おー!!!


タイミングを計らってあげたいから、プレゼントをこっそり自分のクローゼットにしまいこんで。

あとは――――超難題が残ってるのみ。



誕生日当日、何も問題が起こらずいつも通りの平常な日を過ごして、いよいよの晩御飯の時。
コック長に事前にお願いしてて今日は彼の誕生日だから、少しスペシャルなものにしてくれる?と言ったら、おう! 任せておけ!、と少し処か超スペシャルディナーにされてしまった。

コック長! 気を使いすぎだって!!

普段とは違う豪華な料理の為に、それに見合ったセッティングをする船員の皆の様子を見て、最初は何始めるんだ?と不思議そうな顔をしてたのが
次々と運ばれてくる豪華な料理に驚き、

「お? どした? えれえ豪華な食事じゃねぇか。」

と、楽しそうに笑うドフラミンゴ。


自身の誕生日って気付いてないのかな? なら助かったけど、気付かれる前に今もう告っちゃおう。

クローゼットからプレゼントの紙袋を引っ張り出して、彼に渡す。

「?」

「お誕生日、おめでとう。」

「…あー、忘れてたわ。あんがとなぁ。」

嬉しそうに口角を上げ私の頭を撫でる彼。
さあ、今言うのだ!

「ドフラミンゴ、いつもありがとう。…あ、あー…」

「あー?」

私の言葉に不思議そうな顔をして顔を覗かれる。
詰まって言葉が出ない!! やばい、ど緊張してきた!

「あーあああ、あ、あー…。」

んぐっ。
唾を飲み込む。
駄目だ、言葉が続かない!
喉からから。
たった5つのワードを何故言えないの! もー!!

「あい、し、テル。」

最後が発音が違ってしまった! ひゃー!! 恥かしいいいいい!!!!
恥かしくて堪らなくなり、両手で顔を塞いだ。
ドフラミンゴは…どうしたの? 反応なし? まさか引いた? ええええ?
やだ、失敗? 言わなきゃ良かった?
どうしよう、どうし、

その時顔を覆ってた両手を彼にちょっと強引に解かれ。
サングラスを外した裸眼で見つめられた。

「どうした。罰ゲームか何かか?」

「馬鹿! んな訳あるか!!」

酷い! 人の告白を本気に取られないなんて!

「一世一代の告白を酷い! 普段お世話になってるしいつも言葉に出さずにいたから今日こそは…って!!!
なのに、初めて愛してるなんて言ったのにありえない、」

抱き上げられて、顔を間近にキスする寸前な位置までくっつけられる。

「…なによ。」

ムカつきながら彼を睨むと。

至極楽しそうな笑顔をしたドフラミンゴがいた。

「初めて『あいしてる』って言葉を使ったのが俺か?」

「うん。」

「もう一度言え。」

「やだ。どうせ罰ゲームなんでしょ。そんな捻くれた考えする奴なんかには言わない。」

「悪かったって。」

優しく額にキスされる。
唇がゆっくりと私の顔の上を動き、顔全体にキスの嵐だ。
唇まで近付いた時に一瞬だけ唇を重ねられ、すぐ離された。

「だからもう一度。…言ってくれねぇか?」

キスを受ける為に閉じた瞼をゆるゆると開き。
彼を見つめる。

そんな表情されたら…もう。
言うしかないじゃん。
まったく。

今度こそは変な発音にならないように。



「…あいしてる。I love you so much, Doflamingo.」


言葉を紡ぎ終ったと同時に彼に抱き締められた。





そのままスペシャルディナーなんて放ったらかしでベッドへ直行となり。
身体を重ねた後にすっかり冷め切ったディナーをベッドの上でお行儀悪く食べる、とだらしなくも素敵な2人だけの夜を過ごしたのだった。



お題:少年の唄。

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