ミルク


マリージョアを出て少し経った辺りで、ぬいぐるみを貰う前くらいのお話



寝る前の読書としてベッドで枕を背にして図鑑を見てて。
え、と驚いて、隣のドフラミンゴに手をパタパタ振る。

「ねえ、ねえ。フラミンゴって喉からフラミンゴミルクを出して、赤ちゃんに口移しであげるんだって。
オスも出るみたいだよ。」

すごいねー、って知ったばかりの豆知識を語って、小難しい本を読んでたドフラミンゴの顔を見ると。


「俺も股間「聞いてない!」」


馬っ鹿じゃないのっ!って怒る。
余りの下品さに顔が赤くなってきた。あームカつく!

そんな私の一連の様子をゲラゲラとお腹抱えてドフラミンゴが笑って。

もうっ!! こんな返事が返ってくる事位、読めそうだったのに!!


ムスくれて図鑑をまた見直すと、笑い終えたドフラミンゴに腰に手を廻されて引っ張られ、後ろから抱き締められた。

「なんだフラミンゴの生態でも調べてんのか?」

「んー。今は鳥のページ見てて。ほら、ここ見て! ひゃー足が骨折してるみたい。」

「ああ、フラミンゴは人とは逆の関節だからなぁ。」

「詳しいねぇ。」


素直にドフラミンゴの胸の中に収まり、後ろから覗かれる形で一緒に図鑑を見る。小難しい本はもういいのかな。

ペラ、とページを捲るとフラミンゴミルクについての備考が載ってた。

「…ミルクなのに白くないんだね。」

図鑑に記載されてる写真を見ると、どう見ても真っ赤で。ゼリーみたいな感触、とまで書いてる。
ミルクが赤いから真っ白な赤ちゃんが赤く染まっていき、ミルクを与えてる親の方はどんどん白くなるって。

へー。


髪を掬われて首筋を剥き出しにされて、そこにちゅ、と口付けをされてから顎を乗せられる。
これ位の接触ならもう日常茶飯事なので、何も思わない緩い私。


「面白いよね。ミルクをあげるから親は白くなって、赤ちゃんはミルクを貰うから赤くなるのって。」

ね?ってドフラミンゴが顎を乗せている方に首を僅かに傾げると、頭がむきゅ、と重なった。
そしてゆっくりとドフラミンゴが私の顔の方に首を廻して。


ドキリとした瞬間に唇を重ねられて、侵入してきた舌がちろ、とワザと少しだけ私の舌先に触れて揶揄った後に、下唇を甘く彼の唇で挟まれて。


「×××も俺色に染まりたいって事か?」


ニヤリと笑われた。


「えっ! どうしてそうなるの?!」

フラミンゴミルクの話をしただけじゃん!!

焦ってわたわたとしてたら、後ろから強く抱き締められて。

「まあ、まだいい。ゆっくり、な。」

蟀谷にキスをされた。

口角を軽く上げて笑うドフラミンゴに、今の言葉ってどういう事ーっ!って騒いだら、言葉のまんまだ、と返されて

「焦んなよ、×××ちゃん。」

なんて言われてしまった。

焦ってないーー! 何でこうなるの?!

半ば呆然としてたら、抱き締められたまま寝るぞ、と言われて図鑑をベッドから投げ出され。
よく解らないまんま、もう眠る事にした。


うーん。何かがおかしい…


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