柔らかな花の輪郭



Miss〜の22と23の間のお話。モビーにナースも居ますがそれはそれでw



「ちょっと臭くなるけどいい?」

「? 何すんだ?」

「ペディキュア落とすの。で、また色塗りたいから。」


足先を見てそうエースに説明すると、全然構わねえ、と返事をもらったのでエアコンを止めて窓を開ける事にした。

幸い夜になって風が少し出て熱帯夜ではなさそう。



三角座りになってセパレーターを挟み、ペディキュアをリムーバーで落とす。
足の爪を弄りたいと思ってたから今日はシャワーの後はガラベーヤを着ずに、お馬鹿パロTにコットンのショートパンツを着ていた。

アセトンフリーだけど、独特のあのツンとした臭いが広がる。
丁寧に全部を拭き取り、自爪が久々に現れた。

長さを軽く整え甘皮処理して、表面を軽く磨き、ベースコートを全体に塗った。

そこまでした処で、頭を上げるとエースがじっと様子を見ているのに気付いた。


「面白い?」

「ああ。してる処、初めて見る。」

「そうなの? 今まで目の前でやる子っていなかったの?」

「女と一緒に住む事が無かったからな。」

「あらま。じゃあ私が初めて一緒に暮らした女か。光栄だね。」


笑ってそう言うと、エースも楽しそうに笑顔を返してくれた。


「これで終わりか?」

「違うよ。これから本格的に色を塗るの。色は…何にしよう?」


ネイルボックスを見ながら悩む。
前回はサーモンピンク系にしていた。その前は白色。
柔らかい色を続けていたからハッキリした色にするか、とボックスの中を見回してターコイズブルーが目に入り。

それを手に取ろうとしたら、エースの手が伸びた。


「何か気に入った色があるの?」

「…赤。」

赤か。エースの選んだ赤はビビッドなピンク寄りのものだけど、この色も久しく使ってないし、いいかも。

「解った。じゃあこれ塗るね。」

そう言って蓋を開けて筆をしごき、まずは先端を全爪塗り潰して。
右足から塗り始めた。

右足全部を塗り終わり左足に移ろうとしたら、エースに手を止められる。


「俺もしてみたい。いいか?」

えっ

「塗りたいの? エース。」

「面白そうだからな。」


ニッと笑って私の手から筆を奪ったエースは、私の右足を塗る様を見てやり方を覚えたらしい。
同じ様に左爪を塗っていく。




神様。これは夢なのでしょうか?

イケメンが私のネイリストに!!

やばい、ちょっと恥ずかしいのと照れ臭いのと萌え滾るのと…うはーーーーっっ!!!



ポーッっと眺めてたら、あっと言う間に左足を塗り終えたエース。


「ありがとう。二度塗りするから筆貸して?」

「二度塗り? もう一回塗るのか?」

「そう。二度塗る事で色が映えるから。」


そう言ったら、じゃあ塗る、とそのまままた塗り始めたエース。


「足、いいか?」

「え?」


胡坐を掻いてるエースの膝の上に私の足を乗せて、引き続き色を塗ってるエース。



ああああああああああああああ いいのか私!!

いやでも頼んでなくエースがしたいって言ったんだし!!!

私エースに足元晒してじゃなく見ようによったら足蹴にして?じゃね?!

恥ずかしいいいいいいいやでも堪りませんんやばいよエース!!!


全部を塗り終わったエースが筆をしまい、漸く顔を上げて。


「終った!」

そう言った時に私の顔は真っ赤だったのだろう。
エースに爆笑された。


「もう! いいじゃん! 人の顔見て笑うなんて失礼だな!!」

「悪ぃ…。×××、恥ずかしかったならそう言えば良かったのに。」


そう言って右足の足首からそっと親指で脹脛まで撫でられて。
左足はエースの右手に握られて固定されている。


「ちょ! エース!!」


油断したっ!


膝の裏を触れるか触れないかの柔らかさで這われ、そのまま太股の内側を登ってきて。

エースの唇が反対側の押さえられた左足の膝から這い始めた。
ぬめり、と生暖かい舌が内腿を刺激する。



「…っ!!!!」


ぞくぞくとしたものが背中を駆け抜けて身体が跳ね上がった。


左の内腿をゆっくりと舌が蠢き、右の内腿は私が足を閉じないように開脚させようと今は力を込めて手を置かれていた。
エースの右腕は未だに私の左足首を掴んでて、自由が利かない。


やばいっ!!!



蠢めいてた舌がショートパンツのギリギリのラインの内腿の足の付け根で止まり、キツくそこを吸われた。



「っ! エース!!!」


堪らずにエースの髪の毛を掴む。



っ、あ…、何してんのよ!!



更にキツく吸われて。
吐息が漏れそうになるのを必死で抑えると、エースの唇がやっと太股から離れた。



「ご褒美な。」


ニヤリと笑われて。
ぺろん、と内腿を舐められた。




ごほうびって!!!!


鯉のようにパクパクと口を開けた後に、やっと声が出て。


「エースのバカーっ!!! エロガキ!! 何こんな処にキスマーク付けてんのよ!」

「別に誰にも見せねえならいいじゃねえか。」

「見せないから、していいってもんじゃないでしょ!!!」

「解った。じゃあ他のご褒美貰うな。」

「え。」


そう言っていきなり私の着ていたTシャツを捲り上げたので、ぎゃーーーー!!!!って慌てて手で押さえて抵抗して。


「ごめんなさい!!! 私が悪かったからもう止めてええ!!」


半乳出かかった状態で涙目で謝ると漸く手を止めてくれた。

クックッと笑われて、


「よし、×××。勘弁してやる。」


そう言われて唇にキスされる。


なんで私が謝らなきゃいかんのか!と納得はいかないけど、これ以上何かされるのを避けれるなら、何度でも謝ってやる!

美形ネイリストにうっとりしてる場合じゃなかったよ!
私の心臓持たねえええ!!!!



もう二度とエースにネイルなんてやらせない、と心に決めたのだった。




お題:少年の唄。

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